東京都保健医療局は都内に3カ所ある動物愛護相談センター(世田谷区、大田区、日野市)の再整備を行う。それぞれ延べ床面積1000平方b前後の施設で、本所の移転やサテライト施設の新設、改築のみでの対応など、複数のパターンを検討していく。これに伴い、基本計画案の作成業務を希望制指名競争入札で決める。都市計画・交通等計画(取扱品目=その他都市計画・交通等計画業務全般)もしくは土木・水系関係調査(取扱品目=その他土木・水系関係調査業務全般)でB〜Cの競争入札参加有資格者から12月1日まで希望申請を受け付けて、12月14日に開札する予定。2024年3月15日までに成果を得て、基本計画を策定する。
都の動物愛護相談センターは、本所(世田谷区)と城南島出張所(大田区)、多摩支所(日野市)の3カ所で、総延べ床面積は3450平方b。動物愛護管理施策を推進するために必要な機能を整えるとともに、より親しみやすい施設となるような機能強化を図る。
再整備の考え方として、@本所移転型=本所を新たな場所に移転整備、城南島出張所・多摩支所を改築などで現地整備Aサテライト施設新設型=本所・城南島出張所・多摩支所を改築などで現地整備、サテライト施設を新たな場所に整備B現地整備型=本所・城南島出張所・多摩支所を改築などで現地整備―の3類型を挙げている。
このうちサテライト施設は、既存の3施設が担う機能の一部を好適地に移転したもの。現地整備型については、既存3施設の機能配置の再編も含めて検討する。
業務を通じて、類型ごとに各施設が担う機能や必要な建物・設備、整備に当たっての諸条件を整理する。関係者へのヒアリングや類似施設の調査なども行って整備に向けた基本計画案を作成する。
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都は13年3月に「動物愛護相談センター整備基本構想」を策定。3カ所の中でも特に老朽化が進み狭隘(きょうあい)な本所は早期に整備を行うとした。21年3月に改定した「東京都動物愛護管理推進計画」では、都民に開かれ、より親しみやすく身近な施設とすることを決めた。
これらを踏まえ、22年度には「都民等との協働による動物との共生推進拠点の整備検討会」を設置。センターの機能強化に向けた施設像と機能を具体的に検討した。同会の報告書によると、施設設計はデザインコンペやプロポーザルを活用するべきとの意見があった。また、広いホールを設けて、イベントでの活用の他、災害や多頭飼育崩壊が発生した際の動物の一時保管施設にする提案も挙がった。
さらに、9月の都議会定例会では、雲田孝司保健医療局長が施設整備について、「都民に身近な動物との共生推進拠点とするには、動物福祉に配慮した飼養環境の向上など、さらなる機能強化が必要」とし、「本年度策定する基本計画の中でセンターの機能の在り方を示す」と答えていた。
既存の動物愛護相談センターの概要は次の通り(@敷地面積A延べ床面積B完成年C主な設備)。
▽本所(世田谷区八幡山2ノ9ノ11)―@1025平方bA829平方bB業務棟=1974年、事務棟=90年C一般犬舎、小型犬舎、猫舎、ふれあい広場
▽城南島出張所(大田区城南島3ノ2ノ1)―@4000平方bA1756平方bB業務棟、事務棟=83年C負傷犬舎、手術室、解剖室、検査室、致死処分機、焼却炉
▽多摩支所(日野市石田1ノ192ノ33)―@2811平方bA865平方bB業務棟、事務棟=84年C一般犬舎、小型犬舎、猫舎、医務室、相談室、ふれあい広場
提供:建通新聞社