国土交通省関東地方整備局はJR東日本羽田空港アクセス線の羽田空港内整備で、立坑接続部〜モノレール躯体交差部間の大半を対象とした技術協力業務を鹿島・東亜建設工業・あおみ建設JVに委託した。設計段階から施工者のノウハウを反映するECIの一環で、6月から公募型プロポーザル方式による委託先(工事の優先交渉権者)の選定手続きを進めていた。税込み1188万円で10月24日に契約。別途委託の詳細設計に生かす技術情報の提出や施工計画の作成などを2024年6月28日まで履行してもらう。並行して価格などを交渉し、成立すれば税込み100億円程度の工事も契約して24年度内の着工を目指す。鹿島JVは先行するシールドトンネル区間のECIに続いて技術協力業務を手掛けることになった。
JR東日本羽田空港アクセス線は東京貨物ターミナル(品川区)〜羽田空港新駅(大田区)間の延長約5`が新線区間。うち羽田空港(大田区)内の地下式約2・4`を直轄事業とし、新駅側の約0・5`を開削工法、他の約1・9`をシールド工法で建設する。
立坑接続部〜モノレール躯体交差部間は、先行してECIを採用した新駅側の駅ホーム部約250b(9月に清水建設と一部工事を契約)とシールドトンネル(鹿島・東亜建設工業・あおみ建設JVが技術協力業務、23年度着工予定)の間に位置。地下1〜2層で複線軌道や機械室などを収める延長約180bの開削トンネルで、東京モノレールの地下躯体の直上や、地上を走る首都高速湾岸線の出口ランプ橋とターミナル北連絡橋の直下を貫く形で築造する。パシフィックコンサルタンツ(千代田区)が24年3月11日を期限に詳細設計を担当している。
技術協力業務は区間内のモノレール躯体交差部側約145bで実施する「ターミナル北連絡橋部他」の躯体築造が対象。価格交渉などを経て契約する工事は▽仮設工▽撤去工▽地盤改良工▽基礎杭工▽土工▽本体工▽復旧工―で、28年9月の完成を予定している。
立坑接続部側の残り約40bの工事は別件扱いとし、モノレール躯体交差部側の工事と並行して進める方向だ。
関東地整は羽田空港内の京急空港線第1・第2ターミナル駅引上線(約0・3`)も直轄事業で整備する。これに伴う駅舎改築などにもECIを採用しており、8月に大成建設・五洋建設・京急建設JVへ技術協力業務を委託した。
提供:建通新聞社