東京都建設局は、多摩川南岸道路(奥多摩町)の最終工区となる「丹三郎工区」の整備事業に着手する。10月に入って用地説明会を開き、関係者に用地交渉を始めることを伝えた。延長約2`区間に1`超のトンネルをNATMで築造するとともに、橋長約30〜150bの橋梁を3カ所に架ける計画。用地交渉の進み具合を見ながら工事の工程やスケジュールを詰めていく。
多摩南岸道路は奥多摩町の小留浦地内から丹三郎地内までをつなぐ国道411号(青梅街道)のバイパス。延長約7`、幅員10bの路線で、小留浦地内側から「登計工区」と「海沢工区」「城山工区」「丹三郎工区」の4工区に分けて整備する。1993年度に着工し、登計、海沢、城山の3工区5・1`を完成させて供用している。
残る未整備区間の丹三郎工区(棚澤地内〜丹三郎地内)は延長1・9`。幅員10bのうち7・5bを2車線道路に充て、片側に2・5bの歩道を設ける。
終点となる吉野街道との接続部から延長約1280bの山岳トンネルを上り勾配で掘削。トンネルを抜けた先の谷あい3カ所に▽橋長約30b(1径間)▽同約150b(2径間)▽同約120b(1径間)―の橋梁を架ける。構造形式は検討中だという。
2019年度から23年度にかけて丹三郎工区の予備・詳細設計と橋梁比較設計、トンネル詳細補足設計を中央復建コンサルタンツ(千代田区)が手掛けた。
多摩川南岸道路は災害時に地域の孤立を防ぐ他、交通渋滞の緩和、生活基盤の強化といった機能を担う。地元・奥多摩町の師岡伸公町長は21年9月の町議会で、丹三郎工区の状況などを問われて「橋梁3カ所の整備とトンネルの掘削工事にはおおむね6〜7年の工期が必要とされている」と説明。早期の全線開通に向け、「引き続き東京都に対して整備要望を行っていく」と答弁していた。
提供:建通新聞社