東京都内の区市町村は第34回東京都道路整備事業推進大会(会長・渡部尚東村山市長)を10月23日に開いた=写真。港区の武井雅昭区長が23区、武蔵野市の松下玲子市長が市町村、武蔵野商工会議所の橋勇会頭が後援団体のそれぞれ代表として登壇。都市計画道路の整備や無電柱化、歩行者中心のまちづくりなどの必要性を訴えた上で、国と都に安定的な財源の確保と補助事業の拡充を求めた。今回は4年ぶりの対面開催となり、終了後には国会議員や関係省庁、東京都などに対して提案要求活動を行った。
武井区長は、23区内の都計道の着手率が都施行で65%、区施行で37%となっている現状を踏まえ、都市の強靱(きょうじん)化や安心・安全な歩行空間の創出などに向けて整備を促進することに意欲を示した。ただ、「23区の独自財源だけでは事業の推進は困難」だとし、安定的かつ十分な財源の確保と補助事業の拡充を要望。併せて、港区内の無電柱化率が国道で100%、都道で87%に達する一方、区道では25%にとどまっていることから、地中化設備のコンパクト化などの課題を挙げて技術的支援を強化するよう求めた。
松下市長は、まちづくりにおける道路ネットワーク形成の重要性を強調しつつ、多摩地域の都計道の整備と橋梁の計画的な維持補修・更新、無電柱化、自転車通行空間の確保を進めることの必要性を唱えた。
橋会頭は、物価上昇をはじめとした国内経済に言及しながら、社会経済活動の基盤となる都計道の整備が「これまでに増して重要になってくる」と主張。また、東京外かく環状道路について「陥没・空洞箇所周辺の住民への丁寧な説明と安全第一を徹底した上で、早期に効果を発現できるよう取り組んでいただきたい」と注文した。
提供:建通新聞社