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建通新聞社(東京)
2023/09/20

【東京】小池知事が所信表明 避難施設の確保推進

 東京都の小池百合子知事は9月19日、第3回都議会定例会の開会に当たっての所信表明で、ミサイル攻撃など有事に備えた避難施設の確保などに取り組む方針を示した。また、2023年度内に策定する「気候変動を踏まえた河川施設のあり方(仮称)」に関しては、「地下河川化、いわば地下にもう1本の河川を造るという壮大な発想」を盛り込んで対策を強化すると語った。
 小池知事は8月のフィンランド・ヘルシンキ視察に触れ、「有事に備えた避難施設が随所に設けられていた」と評価。また、「平時は駐車場やスポーツ施設として使う工夫がみられた」と振り返りつつ、「海外の事例も参考にして、安全に避難できる施設の確保や関係機関との連携など、ハード・ソフトの両面から東京に見合った取り組みを推進する」とした。
 気候変動への対策については、「現在の1・1倍の雨量に対応できるよう、強化は待ったなし」と指摘。今後の河川施設の在り方をまとめている中で、「多角的な取り組みをレベルアップする」との意欲を示した。河川の整備だけでなく、「高台まちづくりの推進やグリーンインフラの導入促進なども新たに盛り込む」と述べた。
 都立公園を巡っては23年度内に策定する新たなマスタープランに基づいて「アップデートを図り、時代に求められる役割をしっかりと果たす」と表明。新たに創設を検討している「ツリーバンク」やグリーンインフラの整備・活用などにより「自然と調和した都市を実現する」と展望した。
 脱炭素社会の実現に向けては、都営バスの営業所内に水素ステーションを設置し、燃料電池バスの導入を推進する。さらに、「充電設備や車両の性能向上、災害時の動く蓄電池≠ニしての活用などによって、大都市のEVモデル構築に挑む」と意欲を見せた。提供:建通新聞社