東京メトロは9月14日、有楽町線の延伸に関わる開削トンネル工事3件の一般競争入札(WTO政府調達協定対象、総合評価方式)を公告した。「8号線枝川工区土木工事」「8号線東陽町工区土木工事」「8号線千石工区土木工事」と題して、それぞれ中間駅となる枝川駅、東陽町駅、千石駅(全て仮称)を造る。いずれも土木一式の経営事項審査総合評定値が1200点以上の企業に単体または2〜3者JVで参加してもらうこととし、11月13日まで申請書などを受け付ける。2024年1月30日に枝川工区、2月2日に東陽町工区、2月5日に千石工区の順で入・開札して施工者を決定。工期80〜93カ月間で完了させる。
有楽町線の延伸は豊洲〜住吉間(江東区)の建設延長4・8`。有楽町線を豊洲駅から半蔵門線の住吉駅まで伸ばすための分岐線で、駅間を主にシールドトンネルで結ぶとともに、豊洲方面から枝川駅、東陽町駅、千石駅の中間駅を3カ所設ける。総建設費約2690億円を見込み、30年代半ばの開業目標を掲げている。都市計画や環境影響評価、工事施行認可の手続き中だ。
中間駅と工区ごとに概要を見ると、枝川駅は江東区枝川2丁目の区道を長さ約310b、幅18b、深さ約22bにわたって掘削し、地下3階の箱型トンネルを造って駅舎と相対式ホームを収める。別途、両端から豊洲駅方面と東陽町駅に向かって複線シールドトンネル各1断面を掘り進める。工事では掘削数量を11万6000立方b、使用する主要な資機材をコンクリート約3万1700立方b、工期を84カ月間とした。復建エンジニヤリング(中央区)とメトロ開発(中央区)が設計などを受託していた。
東陽町駅は江東区東陽3丁目の四ツ目通りなどを長さ約350b、幅約17b、深さ約25bにわたって掘削。交差する東西線も仮受けし、地下2〜3階の箱型トンネルを造って駅舎と島式ホームを収める。両端には枝川駅と千石駅から別途掘り進めてくる複線シールドトンネル各1断面が到達する。工事では掘削数量を12万3500立方b、使用する主要な資機材をコンクリート約3万0800立方b、工期を93カ月間とした。パシフィックコンサルタンツ(千代田区)とメトロ開発(中央区)が設計などを受託していた。
千石駅は江東区千石2丁目の四ツ目通りを長さ約290b、幅約16b、深さ約21bにわたって掘削し、地下3階の箱型トンネルを造って駅舎と島式ホームを収める。別途、両端から東陽町駅方面の複線シールドトンネル1断面と、住吉駅方面の単線シールドトンネル2断面を掘り進める。工事では掘削数量を9万1600立方b、使用する主要な資機材をコンクリート約1万9600立方b、工期を80カ月間とした。中央復建コンサルタンツ(千代田区)が設計などを受託していた。
総合評価の技術提案は、枝川工区と千石工区で「仮設計画・近接施工の安全性向上」、東陽町工区で「仮設計画・下受工事・鉄筋コンクリートこわしの安全性向上」、全ての工区で「DXの導入・活用」と「環境に配慮した施工方法」について求める。
有楽町線の延伸に関連して豊洲駅の改良も行う。先行して8月から工事の入札手続きを進めており、12月27日の入・開札で施工者を決める考え。
提供:建通新聞社