東京都は「仙川第一調節池(仮称)」の整備に伴う基本設計の委託先を決めるプロポーザル手続きを9月11日に開始した。調布市緑ケ丘の都営住宅用地を活用して約4万立方bの容量を確保するため、構造形式や越流堰の施工方法・手順などを絞り込む。財務局が土木設計の競争入札参加有資格者から9月15日まで参加表明書を受け付け、9月29日を期限に技術提案書の提出を求めた上で、10月27日に受託者を特定。11月13日の見積もり合わせを経て契約を結ぶ。2024年5月31日までの履行期間で成果を得て、所管の建設局が後続の実施設計や工事を順次進める。
仙川は、小金井市貫井北町から国分寺崖線上の武蔵野台地南部をほぼ南東に流れ、武蔵野市、三鷹市、調布市を経て世田谷区鎌田付近で野川と合流する1級河川。延長20・9`、流域面積19・8平方`となっている。
野川流域の河川整備計画(17年度策定)によると、仙川では三鷹市〜調布市〜世田谷区内の3区間に総容量26万立方bの調節池を設置する方針。
このうち今回は仙川第一調節池として、上流の調布市緑ケ丘2丁目地内に約4万立方bの容量を確保する。沿川では都営仙川アパートを段階的に集約・高層化して「調布緑ケ丘二丁目団地」を整備する事業が進んでおり、建て替え完了後の創出用地を活用する考え=図。掘込み式や地下箱式を採用することになりそうだ。
基本設計の参考業務規模は税込み6700万円程度。プロポーザルでは、事業効果の早期発現につながる工期短縮の検討手法や、メンテナンス・予防保全管理・省エネルギーを考慮した施設構造の工夫、仙川に面した生活道路の調布市道下に越流堰などを設ける上での施工方法・手順について技術提案を求める。
これまでに、仙川上流部での「調節池基本検討」と「調節池治水対策検討」に関わる業務を長大(中央区)が手掛けた。
23年度には測量をツカサ測量設計(世田谷区)が、地盤調査を建設地盤(荒川区)が担当している。
提供:建通新聞社