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建通新聞社(東京)
2023/09/08

【東京】都 環七広域調節池、呑川流域に延伸検討

 東京都建設局は環状七号線地下広域調節池を延伸して、呑川流域に新たに設ける調節池との接続を検討している。九品仏川との合流点付近(目黒区)に計9万立方bの貯留量を地下トンネル式で確保する方針の下、接続方法を具体化する。これに伴う調査業務の委託先を希望制指名競争入札で決める。土木・水系関係調査(取扱品目=河川・水理調査)A〜Bの競争入札参加有資格者から9月8日まで希望申請を受け付けて、同月27日に開札する予定。2024年3月15日までに成果を得て、24年度以降の検討に生かす。
 呑川は世田谷区新町地先を源とし、東南に流れて東京湾に注ぐ流域面積約17・7平方`、河川延長約14・4`の2級河川。支川の九品仏川と目黒区緑が丘地先で合流している。17年9月に変更した「呑川流域河川整備計画」で、今回の区間に新たな調節池を整備することを示した。
 一方、環状七号線地下広域調節池は神田川、石神井川、白子川の3流域にまたがる施設として計画。現在、神田川・環状七号線地下調節池と白子川地下調節池をつなぐ区間の掘削を進めており、25年度の取水開始を目指している。基本設計を進めている(仮称)目黒川流域調節池とも連結させることで、総容量・約190万立方bの施設としたい考え。将来的には目黒川流域からさらに南に延伸し、呑川流域に整備を検討している調節池と接続する方針だ。
 今回の業務では、呑川流域の新たな調節池と環状七号線地下広域調節池の接続方法について2パターンを検討する。一つは環状七号線地下広域調節池の延伸完了後に呑川流域の調節池を整備して地中接合する案。もう一つは早期に治水効果を発現させるため、暫定的に呑川流域の調節池を整備して、環状七号線地下広域調節池の延伸完了後に地中接合する案を挙げた。それぞれの課題や解決策などをまとめて整備方針を比較してもらう。暫定的に調節池を整備するパターンについては、対応が可能な1時間当たりの最大降雨量も調査して、事業効果を検証する。
 取水施設となる発進立坑の主要な維持管理施設の配置や延伸での接続箇所を含めた概略施工計画を検討。用地費を含めた概算事業費も算出する。
 検討に当たっては、都と学識経験者らで構成する「気候変動を踏まえた河川施設のあり方検討委員会」で議論を進めている今後の整備目標や施設整備方針などの内容を考慮することとしている。提供:建通新聞社