東京メトロは有楽町線の豊洲駅改良と、南北線の延伸に関わる終点側開削トンネルの土木工事2件について8月14日に一般競争入札(WTO政府調達協定対象、総合評価方式)を公告した。いずれも土木一式の経営事項審査総合評定値が1200点以上の企業に単体または2〜3者JVで参加してもらう。それぞれ10月12日まで申請書などを受け付けた上で、12月27日に豊洲駅改良、12月28日に南北線終点側開削トンネルの入・開札を実施して施工者を決める。
有楽町線の豊洲駅(江東区豊洲4丁目)は、同路線の豊洲〜住吉間の延伸(江東区、建設延長4・8`、総建設費約2690億円)に併せて改良。現駅舎に沿って地下3階の箱型トンネル(高さ約17b、幅約7b、土被り約4b)を開削工法で造り、新木場方面行きホームを1面増やして混雑の緩和を図る。事業費約296億円を投じる。
「豊洲駅ホーム増設土木工事」(工事場所=江東区豊洲3丁目)と題し、掘削数量3万1000立方bの営業線トンネル改造を行う。主要資機材として約8200立方bのコンクリートを使用する。総合評価で「仮設計画・旅客・鉄筋コンクリートこわしの安全性向上」「DXの導入・活用」「環境に配慮した施工方法」についての技術提案を求める。工期85カ月間。メトロ開発(中央区)が設計などの業務を担当している。
一方、南北線の延伸は品川〜白金高輪間(港区)の建設延長2・5`、総建設費約1310億円。JRなどの品川駅の西方を通る第一京浜の地下に開削工法で南北線の品川駅を建設するとともに、そこからシールド工法で軌道トンネルの大半を構築する。その上で、今回の終点側開削トンネルを介して目黒通り下にある南北線の折り返し施設とつなげる。
「7号線白金工区土木工事」(港区白金台1丁目)の件名で、掘削数量1万2000立方bの開削トンネルを造る。主要資機材として約8000立方bのコンクリートを使う。総合評価では「仮設計画・下受工事・鉄筋コンクリートこわしの安全性向上」「DXの導入・活用」「環境に配慮した施工方法」について技術提案を求める。工期132カ月間。こちらもメトロ開発が設計などの業務を担当している。
有楽町線の豊洲駅改良と豊洲〜住吉間の延伸、南北線の品川〜白金高輪間の延伸はともに都市計画や環境影響評価、工事施行認可の手続き中。順調なら2024年度中の都市計画決定と工事着手が見込まれる他、両路線の延伸に伴うシールドトンネルの工事なども順次発注されるもよう。東京メトロではそれぞれ30年代半ばの開業目標を掲げている。
提供:建通新聞社