東京都はJR南武線の谷保駅〜立川駅間約3・7`を高架化し、道路交通のボトルネックとなっている19カ所の踏切を除却または廃止する。これらを連続立体交差事業として実施するため、国立市や立川市、JR東日本と都市計画素案をまとめ8月3日の地元説明会で示した。今後数年をかけて環境影響評価とともに手続きを進め、都市計画決定や事業認可などにつなげる。事業費約960億円を投入し、事業期間約13年で完了させる方針だ。
事業区間は谷保駅(国立市谷保)〜立川駅(立川市柴崎町)付近の約3・7`。都の「踏切対策基本方針」(2004年度)で鉄道立体化の検討対象区間に位置付け、12年度には連続立体交差事業の候補区間に選んだ。18年度には国土交通省から新規着工準備採択を受けて構造形式などの検討を進めてきた。
高架方式と地下方式を比較検討した結果、除却する踏切の箇所数や事業費、事業期間のいずれも高架方式が適していると判断し、都市計画素案をまとめた。
それによると谷保駅の西側から高架化し、橋上駅舎にする矢川駅と西国立駅を経て、既設線をアンダーパスしている立川通り(立川3・4・24号)付近で地表面に取り付ける。区間内に21カ所ある踏切のうち17カ所を除却して2カ所を廃止する一方、谷保駅の両端にある2カ所は残置する。
高架の一般部は高さ約9〜12b・幅員約11bとする。また、駅部の高さは矢川駅が約15b、西国立駅が約14bで、いずれも幅員約19bを確保しつつ、それぞれに島式1面2線で幅員約5〜8b・延長約130bのホームを設ける。
西国立駅付近にある保守基地も移設・立体化する他、幅員約6〜16bの側道を8本整備する。
連続立体交差事業に併せて、国立市が矢川駅周辺の基盤整備を、立川市が西国立駅の駅前広場の新設を進める計画となっている。
提供:建通新聞社