国立療養所多磨全生園は総合診療棟を新築する。2階建て延べ床面積約6250平方bの建物に診察室や床室などを配置する計画だ。これに伴う実施設計業務の委託先を一般競争入札(WTO政府調達協定対象、総合評価方式)で10月に決定。2023年度内に成果を得て、24年度に工事を発注する見通し。25年度内の完成を目指す。
多磨全生園は厚生労働省が所管する国立ハンセン病療養所の一つで、東村山市青葉町4ノ1ノ1に立地。敷地のほぼ中央にある福祉・サービス棟(鉄筋コンクリート造3階建て延べ3427平方b)の隣接スペースを利用して総合診療棟を新築する。
鉄筋コンクリート造2階建て延べ約6250平方bの建物に、各種診療科の診察室やリハビリ室、43の床室(1床39室と2床4室)、食堂、スタッフステーションなどを収める計画。また、2階に渡り廊下を設けて隣の福祉・サービス棟につなげることにしている。
入札手続きは建築関係コンサルタント等Aの有資格者(厚労省競争参加資格、関東甲信越地域)から9月21日まで資格確認関係書類を受け付け、9月22〜28日に技術提案書類の提出を求めた上で、10月6日に入・開札する。24年3月21日を期限に得る成果を基に24年度に工事を発注し、工期約15カ月で25年度内に完成させる予定だ。
23年度予算の概算要求に先立つ営繕計画書では全体計画額を35億2000万円と見積もるとともに、計画工期を23〜25年度と設定。国土交通省が緊急度の最も高い「特A」と判定していた。
多磨全生園では一般寮を増築する計画もある。木造2階建て延べ約1300平方bの規模で、山田守建築事務所(千代田区)が設計を担当。23年度の下期に工事を発注し、24年度内に完成させる予定でいる。
提供:建通新聞社