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建通新聞社(東京)
2023/07/11

【東京】都 小菅水再生センターを再構築

 東京都下水道局は葛飾区にある小菅水再生センターを再構築する。敷地内の全ての施設を対象に老朽化対策を講じて機能の向上を図るため、運用を続けながら敷地内での建て替えや設備の更新を想定。基本計画の策定に向けた調査業務を8月に委託し、再構築の内容や期間、費用などを2023年度末までに詰めていく。現在、芝浦や森ケ崎、砂町など他の水再生センターでも再構築の検討を進めており、これらの中で優先的に着手すべき施設を定めてから工事の実施時期を決める方針だ。
 小菅水再生センターの所在地は葛飾区小菅1ノ2ノ1で、綾瀬川を挟んだ東西の敷地(合計面積14万0300平方b)に施設を配置。水処理施設として▽沈砂池17池▽第1沈殿池6池▽反応槽8槽▽第2沈殿池6池―があり、1日当たり20万立方bの下水処理が可能だ。雨天時貯留池(容量15万2800立方b)や雨水沈殿池(2万8500立方b)、ポンプ棟、管理棟なども立地しており、土木構造物の上部は葛飾区が所管する小菅西公園、小菅東スポーツ公園、フットサル場となっている。
 処理区域は葛飾区と足立区の一部の面積1633f。処理水は荒川と綾瀬川に放流し、発生した汚泥は葛西水再生センターに圧送・処理している。
 1977年に運転を開始し、施設の老朽化が進んでいることから再構築の検討を始める。基本計画の策定に向けた調査業務を通じて工事工程や期間、費用などを具体化したい考え。
 再構築後も現在と同規模程度の処理能力を見込む一方、処理方法は現在のAO法(嫌気―好気法)からA2O法(嫌気―無酸素―好気法)に変更して高度化を図る。運用を継続しながら工区を分けて再構築を進めていく見通し。大幅な管渠の付け替えは現時点で想定していない。
 「小菅水再生センター施設再構築計画調査委託」と題して調査業務の入札手続き中で、都市計画・交通等計画A〜Cの競争入札参加有資格者から7月7日まで希望申請を受け付けた。8月8日に開札して委託先を決める。2024年3月8日までの委託期間で基本計画をまとめ、庁内検討の基礎資料として役立てる。他の水再生センターとの兼ね合いから、再構築に着手するまで長寿命化対策を施して運営を続けることも視野に入れている。提供:建通新聞社