東京都が2022年度(22年4月〜23年3月)に開札した工事4290件のうち落札件数は3852件で、平均不調率は10・21%だった。前年度に比べ0・66ポイント減少しており、3年連続で改善傾向にある。平均落札率は92・61%で、前年度比0・69ポイント増。91〜92%台の範囲で推移している。落札総額は6222億9835万9807円だった。都財務局が予定価格250万円超の競争入札案件の契約状況をまとめた。
平均不調率を発注部局別に見ると、知事部局が前年度比0・65ポイント減の10・02%、公営企業局(交通、水道、下水道の3局)が0・69ポイント減の10・55%にいずれも改善した。全部局の中で最も平均不調率が高かったのは港湾局の18・03%で、開札した183件のうち33件が不調に終わった。高価格帯の入札案件が多い財務局の不調率は10・1%で、開札した485件のうち49件が不調だった。
また、四つの業種分類別では建築の不調率が14・35%(前年度比1・67ポイント増)に上昇したものの、土木が10・78%(1・15ポイント減)、道路舗装が5・86%(0・42ポイント減)、設備が8・86%(0・76ポイント減)で、3業種は改善した。
一方、平均落札率の発注部局別の状況は、知事部局が前年同期比0・75ポイント増の92・32%、公営企業局が0・55ポイント増の93・11%。部局単位ではデジタルサービス局が26・16%だったのを除き、81・3%(主税局)〜97・64%(総務局)の範囲に分布している。
業種別では、建築が92・18%(0・91ポイント増)、土木が92・53%(0・52ポイント増)、道路舗装が91・08%(0・81ポイント増)、設備が93・05%(0・81ポイント増)となっており、いずれも90%台前半を維持した。
低入札価格調査の対象工事は414件で、このうち25・36%に当たる105件で調査を実施した。くじ引きの対象工事は712件で、業種分類別の状況は土木の355件を筆頭に、設備が320件、建築が22件、道路舗装が15件となっている。
この他、22年度に開札した工事のうちWTO政府調達協定の対象だったのは39件(財務局23件、公営企業局16件)で、平均不調率は10・26%(4件)、平均落札率は93・87%だった。
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都は中小企業の積算負担の増大や各局案件での不調の多発などを踏まえ、18年6月に入札契約制度改革を本格実施した。平均不調率は18年度の15・17%から19年度には17・65%へと悪化したものの20年度から減少に転じ、3カ年連続で前年度を下回った。
提供:建通新聞社