東京都建設局はPark―PFIで日比谷公園の大音楽堂(日比谷野音)を再整備するための「公募設置等指針」を公表した。大音楽堂を現地改築するとともに周辺の園地を一体的に整備し、軽飲食店や売店などを置いて利用者の利便性向上を図る。7〜9月に現地見学会や個別対話などを順次開催した上で、10月4〜11日に応募登録を、11月27〜29日に「公募設置等計画」(応募書類)を受け付ける。審査を経て2024年2月ごろに「設置等予定者」を決定。24年3月ごろに基本協定を結び、同年10月に大音楽堂の使用を休止して工事をスタートしたい考え。28年4月までの供用開始を目指す。事業期間は45年3月末までの20年間。
大音楽堂は日比谷公園(千代田区)の代表的な施設の一つ。1923年に設置し、2度の改築を経て83年に既存施設が完成した。本年で100周年を迎えるのを契機に「都立日比谷公園再生整備計画」(2021年7月)に基づいて民間資金を活用した再整備・管理運営を実施し、施設の機能向上や日比谷公園のさらなるにぎわい創出を図ることになった。
指針によると、事業対象区域は大音楽堂と隣接する広場などの敷地を含めた面積約1・2f。一部が国有地となっている。
既存の大音楽堂の規模は鉄筋コンクリート造2階建て延べ718平方b。観客席の面積は約2400平方b、収容人員は3053人(座席2653人、立ち見385人、車いす席15人)となっている。これを解体撤去して、おおむね同じ位置に新たな施設を建設する。
観客の面積と座席数はいずれも既存と同規模程度を確保する方針。加えて、現在不足している機能の拡充を図る。最低限必要な諸室として▽控室兼楽屋4部屋(各20〜50平方b程度)▽リハーサル室兼集会所1部屋(80平方b程度)▽倉庫2部屋(計40平方b程度)▽管理事務所1部屋(50平方b以下)―の整備を想定。コンサート以外にも多様なジャンルで利用できるよう、規模や配置の提案を求める。
この他、大音楽堂の利用者向けの売店1件、公園利用者向けの軽飲食店1件の設置を必須とした。広場周辺は公園のエントランスとしてふさわしい機能や景観に再整備。樹木の保全も条件付けた。
これら特定公園施設の建設に必要な費用は29億3600万円(税込み)を上限に都が負担する。
現地の用途地域は第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率300%)で、準防火地域に指定されている。
設置等予定者の応募資格は、事業を実施する法人・団体または個人や複数の法人で構成する連合体。7月18日に現場見学会、9月13〜15日に個別対話を実施して10月4日に応募登録を始める。
21年度に実施したマーケットサウンディング調査には不動産業やサービス業、建設業などの6グループ・10事業者が参加。施設の内容や事業者公募の条件などについて意見を集めた。
提供:建通新聞社