東京都建設局は神田川上流部に新たな調節池を整備する。三鷹市井の頭3丁目〜杉並区高井戸東2丁目内の3区間で計約13万6000立方bの容量を確保できるよう、施設を複合的に設置する場合も視野に入れて調節池の候補地や形式などを絞り込む。今後の降雨量の増大を見据えた施設規模の増強についても考え方を整理する。これに伴う検討業務の委託先を希望制指名競争入札で7月下旬に決めて、2023年度内に成果を得て後続の展開に生かす。
神田川は三鷹市にある井の頭池から支川の善福寺川や妙正寺川と合流して隅田川に至る延長約24・6`、流域面積約105平方`の1級河川。神田川流域の河川整備計画(23年3月)によると、終点(三鷹市井の頭3丁目)〜第2吐口の間に容量約5万2000立方b、第2吐口〜月見橋区間に容量約2万2000立方b、月見橋〜正用下橋(杉並区高井戸東2丁目)区間に容量約6万2000立方bの調節池を整備するよう定めている。この計画に基づいて設置候補地を選定して、施設の形式や配置を考える。候補地には公共用地を優先して選び、公共用地を活用できない場合には民間用地の使用案も提示してもらう。
調節池の基本構造には、地下箱式や地下トンネル式、オープン式などの複数案を検討。各施設を複合的に設置する場合も含めて比較する。取水・排水施設の構造も整理した上で事業化案をまとめる。
今回の業務委託先を決める入札は「神田川上流部における治水対策検討委託」と題し、財務局が手続きを進める。土木・水系関係調査(取扱品目=河川・水理調査)A〜Bの競争入札参加有資格者から7月7日まで希望申請を受け付けて、同月26日に開札。24年3月8日までに成果を得て、24年度以降の展開に備える。
神田川流域の治水対策を巡っては、支川である妙正寺川の上流部でも調節池の新設を計画している。杉並区清水3丁目〜中野区白鷺3丁目の区間で容量約6万8000立方bの確保を想定。現在、検討業務の入札手続きを進めており、7月14日に開札して委託先を決める。
提供:建通新聞社