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建通新聞社(東京)
2023/06/21

【東京】有楽町・丸の内の再開発 都市再生PJに

 東京都は、内閣府が6月19日に開いた東京圏国家戦略特別区域会議で、新たな都市再生プロジェクトとして有楽町一丁目10・12地区と丸の内三丁目1地区を追加提案した。いずれもJR・東京メトロ有楽町駅に近接するエリアの再開発事業で、三菱地所(千代田区)が事業主体に名を連ねている。今後、それぞれの事業者が計画を具体化した段階で正式な都市再生プロジェクトに認定される。有楽町一丁目は2023年度内、丸の内三丁目は24年度内の認定を見込む。
 有楽町一丁目10・12地区の事業主体は三菱地所。駅前にある有楽町ビルと新有楽町ビルを23年内にも閉館して再開発に着手する予定でいる。三菱地所グループは有楽町を「重点更新エリア」の一つに定め、「文化芸術・MICEを核とした“まちづくりのショーケース”」を実現したい考え。都が会議に示した事業概要によると、JR有楽町駅周辺の再開発と連携した歩行者ネットワークの形成にも取り組む方針だ。
 有楽町駅周辺の再開発を巡っては都も積極的な姿勢を見せており、22年3月に関係者間で検討をスタートさせた。都と三菱地所の他、東京交通会館、読売新聞東京本社、東京高速道路がメンバーで、それぞれが保有する旧都庁舎跡地と東京交通会館、読売会館、KK線高架下を対象に具体的な計画を練っている。
 都は22年度に、再開発に関わる庁内会議の運営支援や関係者協議資料の作成などを都市防災研究所(千代田区)に委託していた。
 一方、丸の内三丁目1地区の事業主体は三菱地所と東宝(千代田区)、出光美術館(千代田区)。帝国劇場や出光美術館の入る帝劇ビルと、隣接する国際ビルを25年をめどに閉館し、一体的に建て替える計画だ。劇場と美術館を再整備する他、有楽町駅周辺の改良への寄与や地下鉄駅とまちを一体化する空間の構築を目指す。
 都市再生プロジェクトに認定されると、都市計画法などの特例対象となる。都とそれぞれの自治体で実施する必要がある都市計画決定や許認可の手続きをワンストップ化できるため、街づくりのスピーディーな実現が可能だ。
 今回の2件を含めて都の都市再生プロジェクトは計51件に増え、合計で約23・5兆円の経済波及効果があると試算している。提供:建通新聞社