東京都は設計等委託の入札に最低制限価格制度を本格導入する。WTO政府調達協定の対象と総合評価方式、単価契約を除き、10月1日以降に公告などを行う全ての競争入札案件に適用する。設定方法は試行段階から変更せず、国に準拠する。
都は設計等委託を巡る低価格落札の多発を受けて、2020年10月に財務局の契約案件で最低制限価格制度の試行を開始した。21年10月には知事部局と公営企業局の契約案件にも試行範囲を拡大。それぞれの発注部局が▽建築設計▽土木設計▽設備設計▽測量▽地質調査―の各業務のうち、WTO政府調達協定の対象と総合評価方式、単価契約を除いて試行案件を選んできた。22年度までに265件で試行した。
品質の確保やダンピング防止などの発注者責務を踏まえて試行してきた中、大きな課題が生じていないことなどから本格導入に踏み切る。
最低制限価格の算定基準は、これまでの試行と同様に国に準拠。具体的な算定式を見ると、建築設計は「直接人件費+特別経費+技術料等経費×0・6+諸経費×0・6」、土木設計は「直接人件費+直接経費+その他原価×0・9+一般管理費等×0・48」、測量は「直接測量費+測量調査費+諸経費×0・48」、地質調査は「直接調査費+間接調査費×0・9+解析等調査業務費×0・8+諸経費×0・48」とする。
設定範囲は建築設計と土木設計が予定価格の70〜80%、測量が70〜82%、地質調査が70〜85%。算定額が設定範囲の下限値に満たない場合は下限値を、上限値を超える場合には上限値をそれぞれ最低制限価格にする。
提供:建通新聞社