東京消防庁は本部庁舎の改築に伴い、基本計画の策定支援業務の委託先を山下PMC(中央区)に決めた。新庁舎の規模を延べ床面積6万2000平方b程度と想定しつつ、施設配置や事業手法、工期などを具体化して2023年度末までに基本計画を固め、24年度以降の設計につなげる。国との土地交換を経て27年度以降に着工する見通しだ。
本部庁舎は千代田区大手町1ノ3ノ5の敷地約4300平方bに立地。敷地内にある丸の内消防署と合わせた総延べ床面積は3万0498平方b、最高高さは119bで、建物(高さ60b)の上部に鉄塔(高さ58b)を構えている。
老朽化や執務スペースの狭あい化といった課題を解消するため、現在の敷地と近傍の気象庁跡地(千代田区大手町1ノ7ノ28、面積1万2560平方b)の一部を交換し、丸の内消防署も含めて改築して新庁舎を建設。国との協議を経て27年度をめどに土地の交換契約を結び、新庁舎の工事に備える。
基本計画の前提として、新庁舎の敷地面積を最大5300平方b程度、延べ床面積を6万2000平方b程度、最高高さを115b程度に設定した。屋上に非公共用ヘリポートや無線鉄塔などを設ける。
22年度に検討した基本構想の内容を踏まえ、今回の業務を通じて新庁舎の配置図や各階平面図、構造といった与条件を深度化する。また、新しい働き方を実現するための執務環境のコンセプトを練る。
工期を考える上でECI方式の導入を含めて事業手法を幅広く検討。新築だけでなく既存庁舎の解体工事に関する工期も精査してもらう。設計者選定の基準作りなども内容で、24年3月15日までに成果を得る。
業務の委託先を決めるため、5月29日に希望制指名競争入札を開札。参加した2者のうち、山下PMCが2800万円(税抜き、以下同)の1番札で落札者となった。2番札は三菱地所設計(千代田区)の1億0500万円だった。予定価格は明らかにしていない。
21年度に将来構想の支援業務を明豊ファシリティワークス(千代田区)が、22年度に基本構想と解体計画の策定支援業務を三菱地所設計が手掛けていた。
提供:建通新聞社