東京都のまとめによると、知事部局が2021年度に契約した工事と物品等に占める中小企業の受注比率は件数が約8割、金額が約5割だった。また、競争入札で発注した工事の等級別では件数こそ工種ごとに傾向が異なるものの、金額については全工種でA等級が最も多かった。財務局の集計を基に分析した。
都の競争入札参加有資格者数(22年4月時点)は工事が約9000者、物品等が約1万2000者の合計約2万1000者。そのうちおよそ9割が中小企業となっている。
知事部局が21年度に契約した工事は8393件で総額3480億円。件数の83・6%に当たる7276件、金額の63・8%に当たる2368億円を中小企業が受注した。
また、競争入札で発注した工事を等級別に見ると、件数は建築と土木のC等級以下が多かった反面、設備はA等級が最多。金額については全ての工種のA等級が最も多い中、建築と設備は全体の大半を占めていた。
一方、知事部局が21年度に契約した物品等は6万8860件で総額6096億円。件数の84・2%に当たる5万8400件、金額の46・3%に当たる2664億円を中小企業が受注した。
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都は工事や物品等の発注に際して、格付けを設けている工種・業種で等級区分に応じた発注標準金額を定めている。
工事の主な状況は下記の通り。
▽A=建築4億4000万円以上、土木3億5000万円以上、設備5500万円以上
▽B=建築2億2200万円以上4億4000万円未満、土木1億6000万円以上3億5000万円未満、設備1800万円以上5500万円未満
▽C=建築6000万円以上2億2000万円未満、土木4000万円以上1億6000万円未満、設備600万円以上1800万円未満
▽D=建築1600万円以上6000万円未満、土木1000万円以上4000万円未満、設備250万円以上600万円未満
▽E=建築1600万円未満、土木1000万円未満、設備250万円未満
提供:建通新聞社