国土交通・総務・財務の3省が実施した公共工事発注者の入札契約適正化法に基づく実施状況調査(2022年10月1日時点)によると、東京都内の自治体63団体(都と23区26市5町8村)のうち22年に改定した中央公契連モデル(22年モデル)で調査基準価格や最低制限価格を算定しているのはそれぞれ7団体、11団体と全体の2割に満たなかった。一方、休日を考慮した工期の設定に8割超の52団体が取り組んでいる他、スライド条項の運用基準のうち「単品」の策定は31団体、「インフレ」の策定も35団体と5割前後に上った。
22年モデルの算定式は調査基準価格(導入32団体)で都と3区3市の7団体、最低制限価格(導入61団体)で都と4区4市2町の11団体が採用。導入団体ベースで市区町村に限っても採用率は2割に届かず、半数以上が採用している全国的な傾向を下回った。19年より前のモデルや独自モデルなどの採用団体が1桁台で存在する中、11区2市の13団体は調査基準価格、12区4市1町2村の19団体は最低制限価格のそれぞれで算定式を公表していない。
また、予定価格の公表時期は6区10市1町1村の18団体が全て事前、都と11区8市1村の21団体が事前と事後を併用。全て事前のうち3市の3団体、事後と事前を併用のうち市の1団体はそれぞれ最低制限価格でも同じ対応を取っている。
21年度の競争入札平均落札率は77・3%〜100%に分布。都と18区14市4町2村の39団体が0・1〜16・5ポイントの幅で20年度から下降した。
休日を考慮した工期の設定は都と19区24市5町3村の52団体が実施、4区2市5村の11団体が未実施で、市区町村での実施が5割未満の全国的な傾向よりも取り組みが進んでいる。ただ、週休2日工事については都と4区2市1村の8団体が実施、6区1市2村の9団体が検討中の反面、13区23市5町5村の46団体は未実施となっており、市区町村での実施が2割未満の全国的な傾向と同様だ。
スライド条項の運用基準は「全体」を都と23区25市5町8村の62団体、「単品」を都と19区11市の31団体、「インフレ」を都と18区16市の35団体が策定。全国的には市区町村での単品とインフレの策定がおよそ3割にとどまるだけに、都内の自治体では施工中の工事の資機材価格や物価の変動に対する意識が幾分高そうだ。
これらを団体別に見ると、都と17区10市の28団体は全体、単品、インフレの全種類を用意し、3区9市5町8村の25団体は全体のみで対応。1区5市の6団体は全体とインフレの2種類、2区1市の3団体は全体と単品の2種類、市の1団体がインフレのみを運用している。
提供:建通新聞社