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建通新聞社(東京)
2023/04/06

【東京】都 仙川調節池、調布市緑ケ丘2丁目に計画

 東京都建設局は「仙川第一調節池(仮称)」を調布市緑ケ丘2丁目地内に整備する計画だ。基本設計の業務委託先を決めるプロポーザル手続きを9月中旬に開始。別途委託する現地測量と地質調査の成果を反映し、約4万立方bの貯留量を確保できるよう施工場所や構造形式を具体化していく。2023〜24年度の2カ年で基本設計を進め、後続の実施設計と工事につなげる。
 仙川は延長20・9`、流域面積19・8平方`の1級河川。小金井市貫井北町から国分寺崖線上の武蔵野台地南部をほぼ南東に流れ、武蔵野市、三鷹市、調布市を経て世田谷区鎌田付近で野川と合流している。
 都の野川流域河川整備計画(17年7月策定)によると、仙川では世田谷区給田3丁目(京王線)〜三鷹市新川6丁目(野川宿橋)と世田谷区祖師谷3丁目(小田急線)〜給田3丁目(京王線)、世田谷区鎌田3丁目(野川合流点)〜祖師谷3丁目(小田急線)の合計3区間に総容量約26万立方bの調節池を新設したい考え。
 仙川第一調節池の整備を計画する調布市緑ケ丘2丁目地内は、3区間のうち最も上流に当たる京王線〜野川宿橋の沿川に位置。約4万立方bの容量を確保するため、基本設計を通じて詳細な施工場所や構造形式を練る。構造形式は堀込式と地下箱式、地下トンネル式の中から用地の状況や施設の維持管理方法も含めて比較検討し、事業効果の早期発現につながる最適な案を選ぶ。
 現地測量(面積0・02平方`)と地質調査(16本)の委託に伴う希望制指名競争入札(実績評価型総合評価方式)を5月中旬に公示する予定。それぞれ履行期間110日間と130日間で完了させる。並行して基本設計業務のプロポーザル手続きを9月中旬に公示して委託先を決め、履行期間220日間で成果をまとめてもらう。
 仙川上流部での「調節池基本検討」と「調節池治水対策検討」に関わる業務は長大(中央区)が手掛けた。
 調布市緑ケ丘2丁目地内では、仙川沿いの老朽化した都営仙川アパート(調布市緑ケ丘2ノ25他)を段階的に建て替えて「調布緑ケ丘二丁目団地」を整備する事業が進んでいる。これに関連して、調布市議会の定例会(21年6月)で質疑に立った議員が建て替え完了後の残地の一部を貯留池の整備に活用するよう要望。市側は「都の貯留施設の整備に関する動向を注視し、情報収集に努める」と答弁していた。提供:建通新聞社