国土交通省関東地方整備局は2024年4月から建設業に適用される時間外労働の罰則付き上限規制、いわゆる「2024年問題」に対する取り組みをまとめた。関東ブロック発注者協議会による「週休二日制対象工事の実施状況」の指標を市区町村が発注する工事まで拡大し、市区町村の取り組みを「見える化」することで業界の働き方改革を後押しする。秋ごろに実施状況を公表する。
また、交通規制を伴う夜間工事の「工事の施工時間に係る特記仕様書記載例」を改定する。積算上の標準作業時間に日々の作業準備、KY活動、後片付けなどが含まれることを明記する他、交通規制を伴う場合は道路使用許可時間も明記する。4月1日以降に入札・契約手続きの運営委員会に諮る工事から適用する。
さらに▽23年度の優良工事等表彰で生産性向上や働き方改革の効果的な取り組みを追加表彰▽時間外労働規制の適用外となる災害復旧・復興事業に円滑に取り組むための関係機関とのコミュニケーション▽不調不落対策や事務負担軽減のための「企業能力評価型」の試行▽「段階的選抜方式」の上限を15者に見直し―などを実施する。
地整の担当者は、「取り組みを通じて企業に問題意識を持ってもらいたい。『2024年問題』を前向きに捉えて生産性の向上を実現し、建設業の魅力を高めることで建設業界に人が集まるだろう」と狙いを語った。23年度の意見交換会で取り組みに対する意見を受け付け、改善していく考えだ。
提供:建通新聞社