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建通新聞社(東京)
2023/03/20

【東京】足立区 28年度までの中期財政計画を公表

【東京】足立区 28年度までの中期財政計画を公表

 足立区は、2023年度から28年度までを期間とする中期財政計画を公表した。6年間合計の投資的事業費は約2537億円。梅田八丁目複合施設の新設やギャラクシティの改修など一般施設の大規模工事が多く事業化されることから、年平均額は423億円を見込む。前計画の358億円と比べて65億円増える見通しだ。
 投資的事業費のうち一般施設については、6年間の見込み額を合計約813億円、年平均約136億円とした。26年度以降はギャラクシティ(こども未来創造館)の大規模改修に48億円、総合スポーツセンターの大規模改修に29億円など多額の経費を想定しており、23年度から建物の調査を行い、工事規模や手法を検討する。
 新築工事は、24年度から25年度にかけて高野小学校跡地スポーツ施設、25年度から27年度にかけて梅田八丁目複合施設などで実施する計画だ。
 学校施設は、小中学校合わせて約757億円、年平均約126億円を投じる。6年間で▽東渕江小学校▽東渕江中学校▽宮城小学校▽千寿常東小学校▽渕江中学校▽花畑小学校―の計6校の改築事業を計画している。また、大規模改修は現在設計を委託している六木小学校や入谷中学校など全17校で事業を進める。
 今後の課題として、建築資材や人材費の高騰を挙げる。改築の校数が多いことから、現在も事業費が10年前と比較して1・5倍ほどに上っており、この先も価格が大きく下がることは見込みづらい。このため、CM方式の採用など経費を抑える手法を検討している。
 道路整備やまちづくりの事業費は総額で約799億円、年平均は約133億円。このうち用地取得や駅前交通広場の整備など、道路の新設事業に約265億円を投資する。23年度に竹ノ塚駅の鉄道高架化事業が完了するため、以後は駅周辺を中心に「災害に強いまちづくり」を推進する。23年度からの3年間では、耐震改修や不燃化特区の助成に約16億円の経費を充てる。
 24年度は西新井駅西口駅前交通広場と補助第256号線の用地取得と北綾瀬駅前交通広場整備を行うため、1年で約186億円を盛り込む。

【前年度までの決算額比は増加傾向に】

 前中期財政計画の17年度から21年度まで投資的事業費の全体額は1791億円で、年平均額は358億円。改修・整備の内訳ごとに年平均額を見ると、一般施設が98・8億円、学校施設が137億円、道路整備が122億円だった。
 23年度からの新計画では、一般施設改修投資の年平均額が37・2億円増加している。一般施設の工事計画に基づく大型施設大規模改修や複合施設新設の集中が主な要因で、投資額別では増額幅が最も大きい。
 今回の中期財政計画の見直しは6年ぶりとなる。本来は20年度に前計画を見直し、28年度までの8カ年の計画として策定する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大により経済状況が不透明となったことから、見直しを2年間延期した。提供:建通新聞社