東京都生活文化スポーツ局は東京文化会館(台東区)を大規模改修する。築後61年がたっており、設備更新を中心に特定天井の耐震化などを実施する方針。全体事業費を207億円と見積もった中で、2023年度の当初予算で基本設計費を確保する。25年度までに実施設計を終えて、26年度に工事を始める見通し。
東京文化会館は上野恩賜公園内の台東区上野5ノ45に、鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上5階建て延べ2万1423平方bの規模で立地。オペラ、バレエ、オーケストラなどの公演を行う大ホール(2303席)と室内楽やリサイタルなどで使用する小ホール(649席)に加え、リハーサル室や各種会議室、音楽資料室などを備えている。
1961年4月に開都500年事業として開業。新築時の設計を前川國男建築設計事務所(現・前川建築設計事務所、新宿区)、施工を清水建設が行った。
これまでに計画的な大規模改修(97〜98年度、2013〜14年度)や小規模な改修を随時実施してきたものの、老朽化が進んでいることから一時的に施設を休止して、設備更新をはじめとした大規模改修を施す。併せて、特定天井の耐震化やバリアフリートイレの設置などを進めて防災性と利便性の向上を図る。
21年度に前川建築設計事務所が今回の大規模改修に伴う基本計画を手掛けていた。
23年度当初予算の5460万円と限度額1億2756万円の債務負担行為(24年度)で基本設計費を確保して、23〜24年度の2カ年にわたって作業を進める。24〜25年度の実施設計を経て、26〜28年度の3カ年で工事を実施する方針だ。
提供:建通新聞社