東京都は東急電鉄大井町線・戸越公園駅付近の連続立体交差事業に関する都市計画素案をまとめた。駅を中心に前後の約0・9`区間を高架化して6カ所の踏切を除却する内容で、事業期間を約11年、事業費を約240億円と推計した。関連して地元の品川区が駅前に交通広場を新設するため、23年度内の都市計画決定を目指している。区と連携しながら連立事業の都市計画決定や事業認可に向けた手続きを進める。
東急大井町線は戸越公園駅の両隣にある下神明駅と中延駅で高架化が完了している。一方、戸越公園駅は地上に残っており、下神明駅方面に2カ所、中延駅方面に4カ所の計6カ所の踏切が存在。いずれもピーク時の踏切遮断時間が40分以上の「開かずの踏切」だ。
このため、戸越公園駅を含む約0・9`区間(品川区豊町2丁目〜戸越6丁目)を高架化して踏切を除却することで、ボトルネックや地域分断の解消を図る。21年度に国土交通省から新規着工準備採択を受けて高架方式と地下方式の比較検討などを進めた結果、6カ所の踏切を全て除却できる高架方式を採用することになった。
都市計画素案によると高架の一般部は幅員約12b・高さ約11bとする。駅部は幅員約17b・高さ約16bで、島式1面2線のホームを設ける。高架化に併せて幅員6bの側道を3カ所(総延長約320b)に整備する。
施工順序は、現在線の北側に側道用地を取得または借地して仮線を設置。上下線を仮線へ切り替えて下り線から高架を建設し、高架の完成後に側道を整備する流れを予定している。
戸越公園駅周辺では鉄道と交差する補助第29号線(特定整備路線)を都が整備中で、連続立体交差事業に関連して区が設ける交通広場と接続する計画になっている。また、民間による二つの再開発事業も進展していることから、これら合わせて連立事業に必要な手続きを順次進めていく。
提供:建通新聞社