東京建設業協会(東建、今井雅則会長)は東京都との入札契約制度などに関わる2月6日の意見交換会で、都が発注する工事の全てを発注者指定型の週休2日制確保工事とするよう訴えた。また、総合評価方式で都の実績がない企業の受注機会を確保する方策の検討を要望。都から「技術提案を生かせる簡易な総合評価方式」を検討するとの回答を得た。
東建は▽働き方改革の推進▽円滑な施工の確保▽入札契約制度の改善▽高騰する建設資機材などへの対応▽建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及促進▽公共工事代価の前払金における支払限度額と割合の見直し―の六つを掲げて要望・提案。
とりわけ働き方改革に関しては、2024年度からの時間外労働の上限規制に対応することが「最大の課題だ」と強調。都が発注する全ての工事を発注者指定型で週休2日制確保工事とするよう求めるとともに、週休2日の実施に伴う必要経費の補正係数を「国の動向を待たずに都独自で引き上げていただきたい」と訴えた。
併せて、書類の削減・簡素化に向け「受発注者共同で必要書類の徹底的な見直しを行うなどの取り組み」が必要だとした。
また、入札契約制度の改善を巡って総合評価方式に言及。現行制度は企業の技術力に関する「過去の工事成績評定」などの評価点が都発注工事の実績だけ加点対象となっているため、「都の実績がない企業は受注が難しい」と指摘。国が採用している「自治体実績チャレンジ方式」を例に挙げつつ、「実績対象とする工事を広げたり、競争入札案件を一定数確保したりするなどの方策を検討していただきたい」と求めた。
これに対し都は、「技術提案を生かせる簡易な総合評価方式の導入に向けて今後検討する」と応じた上で、「より入札に参加しやすく品質確保が図れる制度となるよう改善を図っていく」との方針を示した。
提供:建通新聞社