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建通新聞社(東京)
2023/02/06

【東京】国立劇場PFI再整備 事業者選定へ再公告

 日本芸術文化振興会は国立劇場のPFI再整備に携わる事業者を選ぶため、2月3日にWTO対象の総合評価一般競争入札を再度公告した。2022年4月に公告した前回入札の不調を受け、改めて設計や建設、維持管理、付帯事業などに当たる企業のグループから参加を募る。3月9日まで1次審査(資格関係)資料を受け付け、6月5〜7日に入札書と2次審査(提案関係)資料の提出を求めて6月8日に開札。2次審査資料のヒアリングを経て8月下旬の落札者決定、11月ごろの事業契約締結を目指す。
 国立劇場(千代田区隼町)は既存施設の抜本的な老朽化対策や伝統芸能の伝承・創造機能の強化などを目的にPFI手法で再整備。既存施設の解体や、延べ床面積5万6500平方bの新劇場と民間収益施設を合築した複合施設の設計・建設、新劇場の維持管理・運営などを民間に任せる。
 新劇場関係がBTO方式のPFI(税込み施設整備費536億7770万6600円)で、事業者による民間収益施設の整備・所有・運営(70年間の定期借地権設定契約、基準貸付料年額9億6500万円)を付帯事業と位置付けている。香山・山下PMC設計共同体が技術アドバイザリー業務を手掛けた。
 前回の入札が全応募者の辞退で不調に終わったため、当初は事業に含めていた国立能楽堂(渋谷区千駄ケ谷4丁目)の維持管理を対象外にしたり、PFIによって見込まれる事業費削減率を3・1%から2・35%に引き下げたりして、再公告の前提を整えた。
 グループ構成企業の主な参加資格要件は、前回と同様に▽設計、工事監理=建設・コンサルティング業務▽建設=建築一式1200点以上、電気1100点以上、管1100点以上▽維持管理=建物管理等各種保守管理A〜C▽運営=役務の提供等A〜C―などとした。また、付帯事業の担当企業についても前回を踏襲。延べ床面積5万平方b以上のホテルやオフィスを含む複合施設開発に不動産開発事業者として関与した実績を求める。
 11月ごろの事業契約締結後に設計をスタートし、24年7月から既存施設を取り壊した上で、29年11月までに新劇場を建設。これに続いて29年12月〜49年3月の維持管理・運営を担ってもらう。24年4月〜49年3月を期間とする国立能楽堂の一部運営もある。提供:建通新聞社