東京都財務局は、庁舎や学校、福祉施設などの都有施設を改修・改築する際の環境性能水準を引き上げる。従来目標としている都建築物環境計画書制度の最高評価「段階3」の達成に加え、ZEB化を目指すことにした。また、ZEB化に有効なDCモーター換気扇やハイグレード高効率空調機、外気取り入れ制御システムなどの導入を原則化する。これらの基準を盛り込んだ現行の「省エネ・再エネ東京仕様」を改正し、2月に基本設計を始める施設から適用する。
「省エネ・再エネ東京仕様」は、都有施設の用途や構造、規模ごとに、建築・電気・機械の分野で取り入れるべき環境負荷低減の考え方や仕様、性能などを示したもの。都有建築物の改修や改築の際に適用している。
都は2030年までに00年比で温室効果ガス排出量とエネルギー消費量をそれぞれ50%削減するとの目標を掲げている。目標達成に向けて都有施設でもさらにエネルギーの合理化を進める必要があるため同仕様を改正することにした。
今回の改正内容を見ると、都有建築物の改修や改築時には、都建築物環境計画書制度の最高評価「段階3」を満たした上で、個々の施設の特性や立地状況などに応じて、1次エネルギー消費量を原則として30〜50%以上削減することでZEB水準相当の達成を目指す。
具体的には、DCモーター換気扇の導入を原則化。延べ床面積が6000平方b以上の学校などには、空調にハイグレード高効率パッケージエアコン、換気設備に外気冷房や予冷予熱制御をはじめとしたシステムを導入する。この他、太陽光発電設備を設置した場合には蓄電池を組み合わせて余剰電力を利活用するといった事例を示しており、個別の施設整備計画をつくる際に採用する設備や技術の性能・基準を検討していく。
提供:建通新聞社