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建通新聞社(東京)
2023/01/19

【東京】昨年の建設業労災、死亡25、死傷1226

 厚生労働省東京労働局がまとめた管内の労働災害発生状況(2022年12月末現在速報値)によると、建設業では22年の1年間に25人が死亡した。前年同期の速報値と同数だが、17年以降の過去6年間で確定値を含めて見ると2番目の多さだ。また、休業4日以上を含む死傷者数は1226人で、前年同期の速報値に比べ165人の増。過去6年間で最も多い17年の確定値とほぼ同水準になっている。
 死亡25人の業種別状況は土木工事業が4人(前年同期速報値比1人増)、建築工事業が13人(6人減)、その他の建設業が8人(5人増)。建築で減少した反面、土木とその他が増加した。
 事故の型別では「墜落、転落」の14人(1人増)を筆頭に、「爆発」の2人(2人増)、「飛来、落下」の2人(1人増)、「交通事故(道路)」の2人(1人増)、「はさまれ、巻き込まれ」の1人(1人増)、「火災」の1人(1人増)が前年を上回った。「崩壊、倒壊」「激突され」「高温・低温の物との接触」でもそれぞれ1人(前年同期速報値と同数)が亡くなった。
 一方、死傷1226人の業種別状況は土木工事業が253人(75人増)、建築工事業が716人(34人増)、その他の建設業が257人(56人増)で、全ての業種が増加した。
 事故の型別では「墜落、転落」の301人(38人増)が最も多く、「はさまれ、巻き込まれ」の119人(16人増)と「転倒」の118人(8人増)が100人台で続いた。新型コロナウイルスの感染を含む「その他」は247人(54人増)となっている。
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 東京労働局では18〜22年度の第13次労働災害防止計画(13次防)で、22年までに建設業の死亡災害を17年(28人)に比べ15%以上減少させる目標を設定。重点事項に墜落・転落災害の防止対策や建設現場と店社が一体となった安全衛生管理の充実などを掲げた。
 21年に死亡災害が急増したことから、工事現場の集中的な監督指導や関係団体との合同パトロールなどを展開。集中的な監督指導を通じ、工事現場の安全管理担当者が▽作業の慣れ▽危険意識の低下▽高年齢労働者の多さ▽コミュニケーション不足―などを労災の発生要因として実感していることも把握した。
 ただ、22年も増加に歯止めが掛からず、継続して取り組みを強化してきたものの、13次防の目標達成が難しい状況となった。提供:建通新聞社