東京都は2023年度に強靱(きょうじん)化施策へ7300億円超を投じる見通しだ。このうち新たな調節池の整備に11億円を配分する中で、仙川第一調節池(仮称)の基本設計に着手する。4万立方bの貯留量を確保する計画。23年度の予算編成に伴う知事査定後、小池百合子知事が報道陣に明らかにした。
都は「TOKYO強靱化プロジェクト」(22年12月公表)に基づいて、40年度までに15兆円をかけて風水害対策や地震対策などを強化する。風水害対策のうち調節池の整備に関しては、30年度までに総貯留量150万立方bを新規事業化する目標の前倒しを図る。
初年度となる23年度は、当初予算で7300億円を超える強靱化施策経費を確保。新たな調節池の整備に11億円を充当し、仙川第一調節池の基本設計や気候変動の影響を加味した施設整備方針の策定などに取り組む。
仙川は延長20・9`、流域面積19・8平方`の1級河川。小金井市貫井北町から国分寺崖線上の武蔵野台地南部をほぼ南東に流れ、武蔵野市、三鷹市、調布市を経て世田谷区鎌田付近で野川と合流している。
建設局の野川流域河川整備計画(17年7月策定)によると、仙川では世田谷区給田3丁目(京王線)〜三鷹市新川6丁目(野川宿橋)と世田谷区祖師谷3丁目(小田急線)〜給田3丁目(京王線)、世田谷区鎌田3丁目(野川合流点)〜祖師谷3丁目(小田急線)の合計3カ所で総容量約26万立方bの調節池を新設したい考え。
現在、整備に向けた基本検討を進めており、地下トンネル式を念頭に候補地や整備形式などを精査している段階だ。
23年度の強靱化施策ではこの他、防潮堤の嵩上げなどに160億円、市町村の下水道強靱化費補助に20億円、旧耐震基準の木造住宅耐震助成制度に6億円、防災船の建造に4億円を充てる方針だ。
提供:建通新聞社