東京工業大学は西蒲田職員宿舎(大田区)のPPP手法による建て替えで、運営などを含む事業の予定者にスターツコーポレーションのグループを選んだ。2022年3月から公募型企画競争の手続きを進めていた。同グループの提案は8階建て延べ床面積約8750平方bの施設に、職員宿舎74戸と民間住宅51戸の合計125戸を設ける内容。1月中に協定を結び、2月から設計や既存施設の解体を行って、24年1月の本体着工、25年4月の供用開始を目指す。
西蒲田職員宿舎は大田区西蒲田2ノ5ノ3(敷地面積3754平方b)に立地。鉄筋コンクリート造4階建て2棟・総延べ床面積3196平方bの規模で1970年に建築した。世帯用の48戸を設けている。
老朽化を背景に、敷地のポテンシャルを最大限生かしつつ財政負担を最小限に抑えるためPPP手法を導入。建て替えとその後の維持管理・運営を民間に任せる。スキームは▽東工大が敷地に定期借地権(2023年から50年間)を設定▽事業者が施設を設計、建設、維持管理・運営▽東工大が職員宿舎部分を賃借―など。74戸の職員宿舎の確保を条件付けつつ、賃貸住宅などを基本に収益施設も設けられるようにして事業者を公募した。5グループから応募があった。
事業の予定者となったスターツコーポレーションのグループは、代表企業の同社の他に▽スターツCAM▽スターツアメニティー▽高階澄人建築事務所―がメンバー。
提案によると住戸の間取りは2LDKが中心。特許技術の高床免震構造を採用するとともに、アウトフレーム構法を用いて居住性の向上を実現するとした。施設を「ロの字型」に配置して、中庭に緑地や屋内型のキッズスペースを設ける。施設の外周には、地域の防災拠点として▽広場▽防災用の井戸▽マンホールトイレ―を設置する。73年に定期建物賃貸借契約などを終えて施設を解体する予定だ。
提供:建通新聞社