財務省と法務省は葛飾区小菅1丁目にPFI手法で国家公務員宿舎を建設する。老朽化した東京拘置所(法務省)の職員宿舎を建て替える形で、財務省が約450戸の合同宿舎、法務省が約350戸の職員宿舎を確保する計画。これら合計約800戸の整備を一体の事業にして進める考えでおり、両省が2023年度の予算案にそれぞれ約900万円のPFIアドバイザリー業務経費を計上した。順調なら24年度にPFI事業者を公募・選定し、25〜27年度に職員宿舎、28〜30年度に合同宿舎の工事を行う見通しだ。
建設地は東京拘置所の西側に位置する葛飾区小菅1丁目地内の面積約5・4f。東京拘置所の職員宿舎約350戸が立地している。
計画ではまず、東京拘置所の職員宿舎を現有戸数と同程度の規模で建て替えて高層・集約化。これに続いて、残りのスペースに合同宿舎を建てる流れを予定している。
23年度予算の概算要求に先立つ営繕計画書によると、合同宿舎は「関東財務局小菅第2住宅(仮称)」。規模を鉄筋コンクリート造14階建て延べ2万2665平方b、工期を28〜30年度の3カ年、工事の全体計画額を88億6979万円としていた。独身者用222戸、単身者用100戸、世帯者用124戸の合計446戸を確保して、23区内の宿舎不足などに対応する。
一方、東京拘置所の職員宿舎は規模が鉄筋コンクリート造と木造で11階建て他の延べ床面積2万0862平方b、工期が24〜27年度の4カ年、全体計画額が92億4116万円となっていた。
PFI手法によるこれらの整備を一体の事業とするため、財務省関東財務局を窓口にして23〜24年度の2カ年にわたるアドバイザリー業務を外注。初年度の23年度に実施方針などを具体化するとともに、順調なら24年度に行うPFI事業者の公募・選定手続き(総合評価一般競争入札)をサポートしてもらう。
関東財務局ではこれまでも、PFI手法(BTO方式)による国家公務員宿舎の整備を複数実施。東京拘置所の東側にある小菅住宅(約1200戸、10年6月完成)もその一つで、長谷工コーポレーション、梓設計、長谷工コミュニティのグループが特別目的会社を設立して維持管理を含む事業に当たった。
提供:建通新聞社