東京都建設局は、恩賜上野動物園に導入する「新たな乗り物」について、企画・設計・建設を担う事業者を企画提案方式で選ぶ。老朽化した既存のモノレール(上野懸垂線)を廃止して、代りとなる乗り物と駅舎を整備する方針だ。2023年度に公募要項を公表し、寄せられた提案書を審査して事業者を決定。24〜26年度に設計と工事を実施して、26年度中の供用開始を目指す。11月7日に公表した基本方針で整備の考え方やルート、スケジュールなどを示した。
恩賜上野動物園(台東区)のモノレールは、動物園の東園と西園を2両編成で往復する路線延長330b。片持ち懸垂支持軌道の両端に駅を設けており、都交通局が1957年に開業した。老朽化を理由に2019年から運行を休止している。
基本方針によると、事業者を企画提案方式で選定し、新たな乗り物(車両や柱などのインフラ部分含む)と乗り場(駅舎)の企画・設計・建設を手掛けてもらう。既存のモノレールのルートを最大限生かしつつ、東園側の乗り場は既存の東園駅舎とおおむね同じ場所に設置する。一方、西園側の乗り場は今の西園駅舎よりも不忍池側に移すとともに、飲食店などを併設する予定だ。
原則として既存のモノレール施設は都が撤去する。新たな乗り物や飲食店などの運営事業者については別途選定する方針でいる。
8月には事業参入に意欲がある法人・団体を対象にサウンディング調査を実施。製造業と不動産業・物品賃貸業、運輸業から6事業者が参加した。
提供:建通新聞社