三鷹市は、老朽化した公共施設の適切な維持保全に関する基本的な考え方や方向性を示す「三鷹市新都市再生ビジョン(仮称)」の素案を取りまとめた。小規模なものや特殊な建物を除いた163施設が対象。ビジョンの計画期間が40年後の2062年度までと長期にわたるため、23〜35年度を前期、それ以降を後期として区分。地域のまちづくりと連動し、総合・融合型のプロジェクトである大沢台小学校、羽沢小学校の建て替えは、前期に実施する「グループT」の施設に位置付けた。一方、当面は大規模な長寿命化をせず利用する市庁舎・議場棟等の建て替えは、「実質的な財政負担が生じない建て替え」を目指して民間活力の導入も視野に検討していくことにし、第七小学校や上連雀三丁目暫定集会集会施設などとともに「グループTに準じる施設」とした。11月7日までパブリックコメントを実施し、その結果を踏まえてビジョンを確定する。
昭和40〜50年代にかけて集中的に建設された公共施設の更新を、効率的・効果的に進めていくため「質から量へ」「作るから使う」(有効活用)「フレキシブル」などに主眼を置いた施設整備を進めていくことにする。また、全ての公共施設の長寿命化を原則としながら、建て替え時期の分散化を図る。
大沢台小と、浸水予想区域に立地している羽沢小についてはともに、地域の意向を聞きながら国立天文台敷地の北側ゾーンへの移転による建て替えを検討することとし、校舎の建て替えに合わせて学童保育所との一体化や周辺公共施設との集約化・複合化も視野に入れる。また、市庁舎・議場棟等の建て替えでは実質的な財政負担が生じない事業手法を目指し、@整備規模の調整A法規制の緩和と民間活力の活用B周辺公共施設との一体整備(集約化)C資産の活用形態―などについて検討を進める。
前期期間に必要となる経費の総額は約490億円、年平均で約38億円と見積もった。また、後期を含む62年度までの40年間では、総額で約1720億円、年平均43億円と試算した。
提供:建通新聞社