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建通新聞社(東京)
2022/10/27

【東京】国立国会図書館 東京本館の本館建替え検討

 国立国会図書館は東京本館の「本館」について建て替えの検討を始める。老朽化対策の一環で、これまでに検討した改修+増築案と比べるなどして最適解を導き出したい考え。これに伴う調査業務の委託先を12月に決定。2023年度末までの2カ年で作業を進めて対策の方向性を固める見通しだ。
 東京本館の所在地は千代田区永田町1ノ10ノ1。国会議事堂に隣接する面積約3fの敷地に▽本館▽新館▽車庫棟―で総延べ床面積約14万8000平方bの施設がある。本館と新館とで合計約1200万冊の収蔵能力を持っている。
 このうち本館は鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上6階建て延べ7万3340平方b。中央に約450万冊が収蔵可能な書庫、周囲に閲覧・事務エリアを配した建物で、1961年に1期工事、68年に2期工事を終えて全体が完成した。2009〜13年度に耐震改修を行っている。
 国立国会図書館は機能の拡充や老朽化などに対応するため、15年度の時点でまず別館を建設した上で、本館を建て替えることを想定。一方、内閣府などが新たな国立公文書館の整備を検討する中で、国会参観者バス駐車場敷地へ別館と共に施設を建設する案も考えたが見送って、国会前庭で憲政記念館と合築する案(23〜27年度の工事を予定)を選んだ経緯がある。
 老朽化対策を巡っては19・20年度にあい設計(江東区)へ委託した調査業務を通じて「改修+増築案」を3案作成していた。
 これに対し、今回は本館の建て替え案(本館解体+新築案)を6案程度作成して▽設備エリアの機能維持▽近傍にある憲政記念館代替施設(今年6月開館)の有効活用、他の棟との接続性▽事業ステップ▽ゾーニングと動線▽景観―の面から検討。その上で、改修+増築案とコスト(イニシャルコストとライフサイクルコスト)や工期を比較する。
 調査業務の委託先は一般競争入札で決める。「東京本館施設老朽化対策に必要な調査(令和4年度)」と題し、建設コンサルタントの競争参加有資格者から11月24日まで事前資料の提出を求め、12月6日を期限に入札書を受け付けて翌7日に開札する。24年3月29日までに成果をまとめてもらう。22年度予算で3800万円の経費を確保している。提供:建通新聞社