東京都が2021年度に開札した設計等業務委託の落札率は5業種平均で65・96%だった。業種別に見ると、建築設計が62・47%、設備設計が67・29%、土木設計が68・46%、測量が68・42%、地質調査が63・17%となり、いずれも60%台にとどまった。また、22年度第1四半期(4〜6月)の平均落札率は67・98%だった。予定価格の事後公表案件を本紙が独自に集計した。
21年度の落札率を5業種に分けて見ると、建築設計は予定価格を事後公表した235件のうち、落札率が10%未満の案件が3件あった。最も低かったのは東部公園緑地事務所契約案件の1・20%。次いで三宅支庁契約案件の4%、消防庁契約案件の6・90%と続いた。
設備設計で予定価格を事後公表したのは231件。このうち福祉保健局契約案件の16・7%が最も低かった。一方、下水道局契約案件で落札率100%が1件あった。
土木設計で予定価格を事後公表したのは834件。落札率が10%未満の案件はなく、最も低かったのは下水道局契約案件の14・9%。落札率100%の案件も2件あった。
測量で予定価格を事後公表した313件のうち、落札率が30%以下だったのは2件。10%刻みでの分布内訳を見ると70〜80%台が75件で最も多く、次いで90〜100%台に50件が収まった。
地質調査の事後公表案件は191件。案件によって落札率にばらつきがあったものの、70〜80%台が最多の40件だった。
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都は19年10月に設計等委託業務の予定価格の公表時期を事前から事後に改めた。公営企業3局を含めた各局で契約する予定価格100万円超の案件で、入札(見積もり)経過調書に予定価格を記している。
最低制限価格制度については20年10月に財務局契約案件から試行をスタート。21年10月には全庁に拡大した。WTO政府調達協定の対象と総合評価(落札)方式、単価契約を除いた中からそれぞれの発注部局が試行案件を選んでいる。
提供:建通新聞社