東京都は11月1日から電子契約を試行する。財務局経理部の総務課と契約第1課・第2課が契約を結ぶ案件のうち、2023年1月31日(契約第2課は22年12月31日)までの公表分から対象を選ぶ。WTO、準備契約、ゼロ都債の各案件は対象外。弁護士ドットコムのクラウド型契約サービス「クラウドサイン」を利用することとし、10月24、25日に事業者向け説明会を開く。試行を通じて課題を検証した上で、23年度以降に各局の契約締結案件にも展開したい考え。
都は入札の公告から落札者決定までの一連の手続きなどを、オンライン上の「電子調達システム」で実施中。これに続き、書面のやり取りが必要な契約締結以降の手続きについても電子化を目指している。
今回の試行では、契約締結から検査や支払い請求などを経て契約完了に至る流れのうち、契約締結の段階を電子化する。契約書の作成や提出といった作業をクラウド上で完結させることで、事業者の利便性向上と業務負担の軽減、都側の事務の効率化・簡素化を実現する狙いがある。
財務局は知事部局が起工する一定金額以上の工事や業務委託、物品買い入れなどの契約を担当。電子契約の試行に当たっては、契約締結依頼局による対象案件の指定を受けて公表時に明示する。
契約第1課では、財務局と都市整備局、住宅政策本部、建設局、港湾局が契約締結を依頼する案件のうち、5億円以上9億円未満の▽道路舗装工事▽橋りょう工事▽河川工事▽水道施設工事▽下水道施設工事▽一般土木工事▽建築工事―の中から各局が指定して試行対象が決まる。
総務課と契約第2課については、契約締結依頼局が全営業種目の案件の中から試行対象を指定することになる。
一方で、電子契約の採否は事業者に判断を委ねる。希望する場合は入札書類の提出時にメールアドレスなどの必要な情報を届け出てもらう。
「クラウドサイン」の事業者向け説明会はオンライン方式。10月24、25日にそれぞれ1回ずつ各回定員1000人で開く。申し込みは専用サイト(https://cs.cloudsign.jp/seminar_goverment_tokyo-metropolis-business)で受け付けている。
提供:建通新聞社