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建通新聞社(東京)
2022/09/16

【東京】東京生協 契約済み生コン来月5百円値上げ

 東京地区生コンクリート協同組合(東京生協、斎藤昇一理事長)は契約済みの生コン価格を10月出荷分から1立方b当たり500円値上げする。足元のコスト高を転嫁できず、組合員の経営基盤を揺るがしかねないと判断した。また、2023年4月出荷分から「残コン」を有償化し、1立方b当たり1万円の取消料を求める。さらに23年4月から契約形態を出荷ベースに見直すため、9月中に詳細を固めて周知していく。9月15日の登録販売店会議=写真=で説明した。
 10月から500円値上げするのは17年12月〜22年5月の契約分(契約番号H・J・L)。値上げ後の定価は17年12月〜20年3月(契約番号H)が1万5600円、20年4月〜22年5月(契約番号J・L)が1万6600円となる。
 東京生協では6月の引き合い受け付け分から生コン価格を3000円値上げした。一方、契約済みの生コン価格はこれまで改定したことがなかった。
 ただ、7月末の契約残数量で試算したところ、製造・運搬コストなどと組合員の実手取り額との差が100億円規模に上り、これを生コン工場が全て負担しなくてはならないことから、契約済みの生コンも値上げに踏み切る。
 23年4月から有償化する「残コン」は工事現場で荷下ろししたものの、使われずに余ったため持ち帰る生コン。何らかの理由で荷下ろしされず、全量が工場に戻される「戻りコン」の有償化(14年4月〜)に続く対応で、1万円の取消料は戻りコンと同額だ。残コン、戻りコンの両方が発生すればそれぞれで取消料を求めていく。
 東京生協では過去5年間に年間出荷数量の3%程度に当たる5・6万〜10・2万立方bの残コン・戻りコンが発生。このうちおよそ7割(2・3〜3・2万立方b)を占める残コンも有償化することで、戻りコンとともに発生を抑制したい考え。輸送に伴う二酸化炭素の排出削減にも貢献できるとしている。
 契約形態の出荷ベースへの見直しは、斎藤理事長が4月の時点で示唆していたもの。当日の会議で斎藤理事長は「新しい制度は検討中。今月(9月)中にほぼ固めて10月に入ったら正式に話をしたい」と述べ、10月13日に改めて登録販売店会議を開く予定でいることなどを伝えた。提供:建通新聞社