東京都水道局は、23区北東部にある総延長267㌔の工業用水道管を撤去する。2022年度末に工業用水道事業を廃止することに伴う対応。総額788億円の費用を見込むうち、23~32年度の10年間に385億円を支出して延長82㌔を撤去する他、主要道路下にある管内部に安全対策を施す。33年度以降に残りの延長185㌔を順次撤去する予定。「工業用水道管の撤去等に関する計画」の案をまとめ、9月14日の都議会公営企業委員会に報告した。
都の工業用水道事業は地下水のくみ上げによる地盤沈下を防ぐため、1964年度に江東地区(墨田区、江東区、荒川区の全域と江戸川区、足立区の一部)で、71年度には城北地区(北区、板橋区、葛飾区の全域と足立区の大部分)で給水を開始した。
昭和50年代以降に地盤沈下がほぼ沈静化して当初の目標を達成できた反面、工場の移転や水使用の合理化などによって需要が減少したことなどから2022年度末で廃止する。これに伴い、管渠の活用や撤去に関する計画案をまとめた。
計画案の対象となる管渠の残存延長は、22年度末で送配水本管(内径400㍉以上)が114㌔、配水小管(350㍉以下)が215㌔の計329㌔。このうち58㌔については上水道管に転用するとともに、それ以外の管渠もなるべく利活用の方法を検討していく考え。
ただ、国道・都道などの主要道路下にある鋳鉄管は比較的強度が低いため、23~27年度のおおむね5年間に管内部へモルタルなどを充填する安全対策を延長30㌔で実施して陥没のリスクを回避する。
撤去する管渠の総延長は267㌔。安全対策を施さない鋳鉄管・延長82㌔を優先し、32年度までの10年間で撤去する。
陥没リスクの低いダクタイル鋳鉄管など延長185㌔の撤去は33年度以降に着手する。可能な限り上水道などとの同時施工を進めることで、コストや地域への影響を最小限に抑える方針だ。
提供:建通新聞社