東京都と多摩市は、多摩ニュータウンにある諏訪・永山地区の再生に向けた検討会議の初会合を9月13日に開く。同地区の中核である京王・小田急線永山駅周辺の再構築と、都営住宅の建て替えに伴う創出用地の活用策について議論していく。同地区を多摩ニュータウン全体の再生のモデルと位置付けて、都営住宅の建て替えやUR賃貸住宅の団地再生、日本医科大学多摩永山病院の移転改築といった複数の事業を契機にまちの再生に取り組む。
多摩ニュータウン(多摩NT)では建物・設備の老朽化や少子高齢化の進展といった課題が深刻化しており、都と多摩市、UR、学識者などが13年から再生の方向性などを検討してきた。15年に再生方針を定めるとともに、先行して18年に諏訪・永山地区のまちづくり計画を策定した。
地区内のまちづくりを見ると、都が諏訪団地(諏訪4丁目)の建て替えを段階的に進めている。住棟を集約することで南多摩尾根幹線の沿道に創出用地が生まれる予定となっている。
UR都市機構によるUR賃貸住宅の団地再生も進行中だ。URは多摩NTの開発に携わっており、特に永山駅近傍の諏訪(諏訪2丁目)と永山(永山3丁目他)の2団地約3700戸については初期入居から50年が経過。20年3月に諏訪団地で一部建て替えの団地再生事業をスタートさせた。
この他、永山駅前にある日医大多摩永山病院を移転改築する計画がある。移転先はURの旧多摩ニュータウン事業本部用地を予定しており、旧東永山小学校跡地と交換契約した多摩市が日医大へ貸与する。23年度末までに旧多摩ニュータウン事業本部の建物などの解体工事を終える見通し。日医大は26年度に新病院の整備工事に着手することを努力目標としている。
これらの動きを踏まえ、都と多摩市は新たに「諏訪・永山再生プロジェクト検討会議」を設置。永山駅周辺の再構築と、南多摩尾根幹線沿道の都営住宅建て替えに伴う創出用地の活用について話し合う。議事は非公開とするものの、団地再生やまちづくりについて一定の方向性をまとめる予定だ。
都と多摩市が事務局を務め、メンバーとして▽UR▽都住宅供給公社▽京王電鉄▽小田急電鉄▽京王電鉄バス▽神奈川中央交通―が参加する。
提供:建通新聞社