国土交通省関東地方整備局は、「土木工事電子書類スリム化ガイド」の周知状況や活用状況などを把握して今後の改善につなげるため、工事601件の受注者(336社)にアンケートを行った。342件(246社)から回答が寄せられた中で、ほぼ全てが「スリム化ガイドを知っている」との結果から、スリム化ガイドが受注者に浸透していることを確認した。
スリム化ガイドに関するアンケートは今回が初めてで、6月10〜30日にWEB形式で実施。2021年11月1日〜22年5月31日に契約した工事601件の現場代理人や現場責任者に回答を求めた。
回答結果を見ると、スリム化ガイドの認知度(回答件数324件)は「知っている」が337件(99%)で、「知らない」は5件(1%)だった。分かりやすさ(同337件)に関しても、「とても分かりやすい」の99件(29%)と「分かりやすい」の213件(63%)で約9割を占めており、受注者が評価していることを把握した。
また、スリム化ガイドに基づく受発注者間の書類作成の役割分担(同221件)は、「明確化できた」が192件(87%)に上っており、工事着手前の設計審査会を通じて役割分担がおおむねできていると考えている。
工事作成書類の改善要望(同329件)は「要望なし」が261件(78%)、「要望あり」が68件(22%)。このうち要望ありで挙がった項目(回答数108件、複数回答可)は、「施工体制台帳」が26件で最も多く、次いで「設計審査会(工事着手前)」が11件、「臨場確認(段階確認、確認立ち会い、材料確認)」と「工事検査」がそれぞれ10件などとなっている。
「土木工事電子書類スリム化ガイド」は、土木工事書類の全面的な電子化や作成に関わる受発注者間の役割分担の明確化などを記載した「土木工事電子書類作成マニュアル」の簡易説明版。インフラ分野のDXで円滑な施工を図るとともに、受発注者双方の働き方改革の推進につなげるため、21年9月にマニュアルとともに改定した。
提供:建通新聞社