東京都は西武新宿線の井荻駅〜西武柳沢駅間を対象とする連続立体交差事業について、2023年度までに国から事業認可を取得する計画だ。延長約5・1`の同区間を高架化して、19カ所の踏切を解消するもの。8月から現況測量を進めており、23年1月には用地測量も始める予定。事業認可後に着工し、約15年間で完了させるスケジュールを想定している。
西武新宿線は新宿区の西武新宿駅から埼玉県川越市の本川越駅までを結ぶ路線。このうち今回の連続立体交差事業は井荻駅付近の杉並区上井草1丁目を起点とし、西武柳沢駅手前の西東京市東伏見1丁目に至る区間が対象。通過する上井草駅と上石神井駅、武蔵関駅、東伏見駅の駅舎を含めて高架化し、外環の2などと交差する踏切19カ所を除却する他、幅員6〜20bの側道を整備する。
構造形式は高架式をメインとして、起点側と終点側をそれぞれ地表式にする。
駅部については、上井草駅を幅員17b・高さ約15b・ホーム延長約170bの島式1面2線、上石神井駅を幅員約23〜36b・高さ約19b・ホーム延長約210bの島式2面4線、武蔵関駅を幅員約17b・高さ約16b・ホーム延長約210bの島式1面2線、東伏見駅を幅員約22〜33b・高さ約16b・ホーム延長210bの島式2面4線とする。
また、上石神井駅にある車庫も必要最低限の規模に縮小して高架化する方針。これに伴い創出される用地の利用方法は検討中だという。
21年11月に都市計画決定した。それに先立ち同年10月に提出した環境影響評価書によると、工事期間は準備工事を含めて約15年間を予定。主な施工順序は▽現在線の北側に側道用地を取得・借地して仮線を設置▽仮線への切り替え後に現在線のホームや駅舎の既設構造物を解体▽現在線などの跡地に下り線から高架を整備▽本線工事の完成後に、仮線供用のため設置した仮設構造物を撤去―で計画している。総事業費は約1710億円を見込む。
提供:建通新聞社