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建通新聞社(東京)
2022/07/08

【東京】南北線延伸 施工11カ年、土被最大52m

 東京メトロは地下鉄南北線の延伸整備で、11カ年の施工工程や最大約52bのシールドトンネル土被りを想定している。7月7日に東京都などで縦覧が始まった環境影響評価の調査計画書で示した。今後2年程度で都市計画とともに手続きを進め、都計決定後1年以内に着工したい考えでいることから、大深度法の使用認可も受けて最速なら2024年度内に工事着手し、34年度内に完成させるスケジュールが予想される。
 南北線の延伸整備は品川〜白金高輪(港区高輪4丁目〜白金台1丁目)間に延長約2・5`の分岐線を新たに造るもの。第一京浜(国道15号)の地下に開削工法で幅約19〜22b、延長約460bの駅(品川駅)を建設し、箱型2層構造のうち下層に島式1面2線のホーム、上層にコンコースなどを配置する。
 その端部にシールドマシンの発進立坑を設け、外径約10bの単断面で延長約2`のトンネルを掘り進めて構築し、複線軌道を収める。国道15号を北上した後に環状第4号線(事業中)を西に向かい、桜田通り(国道1号)を通過して目黒通りを北東方面に進み既設の折り返し施設につなげる。
 折り返し施設との接続部は延長約120bで、目黒通りの地下に開削工法を使って建設する。端部にシールドマシンの到達立坑を設ける。
 地下鉄有楽町線の延伸整備(豊洲〜住吉間)とともに、今年3月に国土交通大臣から第1種鉄道事業の許可を受けた。総建設費約1310億円。地下高速鉄道整備事業費補助と鉄道・運輸機構の都市鉄道融資を得て建設し、30年代半ばに開業させる目標を掲げている。
 環境影響評価の調査計画書では工事予定期間を約10年とする中で、1〜11年目の11カ年にわたる施工工程を明示。土木工事(準備工事、トンネル工事)を1年目の終わりから11年目の末まで、施設工事(軌道工事、電気工事)を10年目の始めから11年目の末までで実施するとした。
 また、シールドドンネルの土被りを約11〜52bと記載。折り返し施設方面が高台のため、区間の一部が地表から40b以上の深さになることを想定し、大深度法の適用可能性を検討する方針を既に打ち出している。駅については土被りを約9b、躯体の外寸高さを約17bとした。
 この他にも、軌道にコンクリート道床(防振枕木)を使ったり、変電施設を駅に地上または地下のいずれかで設置したりすることなどを記している。
 パシフィックコンサルタンツ(千代田区)に委託して調査計画書を作成した。
 直近に整備した地下鉄副都心線(池袋駅〜渋谷駅、約8・9`)では、01年5月の都市計画決定を経て翌6月に工事着手している。提供:建通新聞社