トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2022/07/04

【東京】立入調査で民間工事の実態把握を 建専連

 建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)は6月30日に国土交通省関東地方整備局と意見交換した中で、事業所や現場への立ち入り調査時に契約内容の内訳を確認し、民間工事を巡る価格の実態を把握するよう求めた。岩田会長は「建設業法改正の中に不当に安い場合の評価基準がないことが問題」とし、「契約内容から資材などの金額を調べ、相場を調べていくことで一定の評価基準ができるのではないか。それらを基にわれわれ業界団体の声を拾い上げてくれれば、民間工事の実態が見えてくるだろう」と訴えた。
 また、建設キャリアアップシステム(CCUS)と建設業退職金共済(建退共)制度について、「会員には導入のメリットに懐疑的な声も多い」とし、問題点に費用と事務作業の二つを挙げた。
 費用面では、「元請けによって対応に差がある。複数の現場を担当する場合に誰が費用負担するかも不明瞭だ」と、特に民間工事での難しさを説明。建退共の掛け金も「自社で退職金規定を設けて運用している企業は、二重で費用がかかるのではと混乱が起こる」とした。
 事務作業に関しては、「リーダーにタッチするだけではない。所定の書式に直して建退共に送る変換事務作業があるが、これを元請けがするのか、下請けがするのか不明確だ」と指摘。9月に予定する、CCUSと建退共の電子申請との連携が始まる前に情報共有を図るよう呼び掛けた。
 これに対して関東地整の田中徹副局長は、CCUSと建退共の電子申請との連携について、「事業者の手続きの簡素化がある」とした上で、「CCUSに入っているデータを使って建退共の電子申請を行う方法の他、カードリーダーがなくても、建退共の電子申請を行ったついでにCCUSに登録できる方法も用意している」と仕組みを説明。費用については、「元請けと下請けの中でどういう取り決めをするかによって変わってくるので、元請けには協力会などを通じて専門工事業の皆さんに丁寧に説明するよう働き掛ける」と話した。
 意見交換では▽請負契約のダンピング競争徹底排除▽公共・民間工事問わず建設現場へのCCUS普及▽工期の適正化と週休2日制の推進▽登録基幹技能者の有効活用(CCUSレベル4の実効ある評価)―などを要望。これらに対して関東地整は現在行っている取り組みなどを紹介した。提供:建通新聞社