東京都は工事と業務の総合評価方式による発注で、女性の活躍に関する取り組みへの加点措置を9月1日以降に公告する案件から適用する。技術点のうち「女性活躍推進」を独立の評価項目にして単独で加点できるようにするもの。「東京都女性活躍推進大賞」または「えるぼし認定」の受賞・取得実績や、一般事業主行動計画の策定によって0・25〜1点を得られるようになる。公共調達の中で女性の活躍に関する取り組みのインセンティブを高めることで、事業者の対応を促したい考えだ。
加点措置は総合評価方式のうち、工事の「技術実績評価型」と「技術力評価型」、業務の「設計等委託実績評価型」で講じる。
現行制度は、技術点のうち▽環境配慮▽障害者雇用▽ワークライフ・バランス▽女性活躍推進―などのいずれかを実施していれば加点評価している。ここから「女性活躍推進」を独立させて、単独の評価項目にして加点できるように見直す。
具体的な加点対象は、都生活文化スポーツ局による「女性活躍推進大賞」の受賞企業または厚生労働省による「えるぼし認定」の取得企業や、一般事業主行動計画を新たに策定した企業。このうち一般事業主行動計画に関わる加点は2026年度までの特例措置とし、策定率が1%未満にとどまる常時雇用労働者300人以下の企業の対応を促す狙い。計画策定の届け出日が今年4月1日以降、かつ届け出日から2年を経過するまでの間、「女性活躍推進大賞」や「えるぼし認定」の半分の点数を加点する。
これらを基に、女性活躍推進の項目として工事の技術実績評価型で最大0・5点、工事の技術力評価型と業務の設計等委託実績評価型では最大1点を付与する。
都では、今年1月に男女平等参画審議会から得た最終答申で「一般事業主行動計画策定・公表等の義務を果たしている事業主を公共調達の際に優遇」するよう求められた。また、改正女性活躍推進法の施行に伴い、4月から常時雇用労働者101人以上300人以下の事業主にも一般事業主行動計画の策定と情報公開が義務付けられたことから、総合評価方式の見直しによって事業者の女性活躍に関する対応を後押ししていく。
提供:建通新聞社