東京都の小池百合子知事は6月1日、第2回都議会定例会の開会に当たっての所信を表明し、強靱(きょうじん)な都市の構築に向けての決意を語る中で「今後の河川施設の在り方を検討するため、6月末から有識者を交えた議論を開始する」ことを明らかにした。また、島しょ地域の無電柱化を進めるため、「利島と御蔵島で『島内完全無電柱化』を先行的に実施する」との方針を語った。
小池知事は「猛威を増す水害への対策は待ったなしだ」と述べ、「気候変動を踏まえた整備目標や地下河川を含めた整備方針などについて検討を深め、方向性をまとめる」と説明。また、「都のあらゆる豪雨対策をレベルアップするため、豪雨対策基本方針の改定も加速する」と意欲を見せた。
島しょ地域の無電柱化に向けては「島しょ地域無電柱化整備計画」(1月策定)に基づいて、利島と御蔵島で先行的に完全無電柱化に取り組むと表明した。計画によると今後、施設整備や維持管理に関する諸課題について技術面や経済性、執行体制、事業スキームなどの観点から検討を進めていくことになる。
また、今夏の電力供給がひっ迫する恐れがあることに触れ、「エネルギー自給率を上げ、国際情勢に左右されない都市の底力をつけなければならない」と述べつつ、「2030年のカーボンハーフ実現に向けて省エネルギー利用を全速力で拡大する」と強調。一定の新築建物を対象にしたZEV充電設備の設置や国基準以上の断熱・省エネ性能の確保、太陽光パネルの設置義務化を実現するため「条例改正に向けた準備を加速する」との決意を示した。
提供:建通新聞社