東京都は工事と業務の総合評価方式による発注で、女性の活躍に関する取り組みへの加点措置を拡充する。環境配慮や障害者雇用などとひとくくりにして評価する現行制度を見直し、「女性活躍推進」を独立の評価項目にして単独で加点できるようにする。加点対象となるのは「えるぼし認定」または「東京都女性活躍推進大賞」の取得・受賞企業や、4月以降に一般事業主行動計画を策定した企業。5月31日の入札監視委員会第2回制度部会で了承を得たことから、財務局が最終的な制度設計を進める方針だ。
都では、今年1月に男女平等参画審議会から得た最終答申で「一般事業主行動計画策定・公表等の義務を果たしている事業主を公共調達の際に優遇」するよう求められた。
また、改正女性活躍推進法の施行に伴い、4月から常時雇用労働者101人以上300人以下の事業主にも一般事業主行動計画の策定と情報公開が義務付けられている。
これらの状況を踏まえ、総合評価方式で女性の活躍に関する内容を拡充し、インセンティブを付与することで事業者の取り組みを促す。
現行制度は、技術点のうち「企業の信頼性・社会性」で▽環境配慮▽障害者雇用▽ワークライフ・バランス▽女性活躍推進―のいずれかを実施していれば加点評価している。ここから「女性活躍推進」を独立させて、単独の評価項目にして加点できるように見直す。
具体的な加点対象は、厚生労働省による「えるぼし認定」の取得企業または都生活文化スポーツ局による「女性活躍推進大賞」の受賞企業や、一般事業主行動計画を新たに策定した企業。このうち一般事業主行動計画に関わる加点は26年度までの特例措置で、常時雇用労働者300人以下の企業で1%未満にとどまる計画策定を促す狙い。計画策定の届け出日が4月1日以降かつ、届け出日から2年を経過するまでの間、「えるぼし認定」や「女性活躍推進大賞」の半分の点数を加点する。
提供:建通新聞社