国土交通省が2021年度に実施した業務に関する運用指針調査(21年7月1日現在)によると、東京都内の自治体63団体(都と23区26市5町8村)のうち、業種を問わず最低制限価格制度と低入札価格調査制度のいずれも導入していないのは28団体、予定価格を全て事前公表しているのは5団体で、前年度調査からそれぞれ1団体減とダンピング対策がわずかながら進展したことが分かった。20年度の競争入札平均落札率は36・5%(調査業務)〜99・4%(測量業務)の幅で分布。また、全ての業種で一般競争、総合評価、プロポーザルのいずれの方式も導入していないのは8団体で、こちらも前年度から1団体減となっている。
業種を問わず最低制限価格制度と低入札価格調査制度のいずれも導入していない28団体は、千代田区や武蔵野市、日の出町、檜原村などの4区16市3町5村。葛飾区が最低制限価格制度を取り入れたことで前年度調査から1団体減った。目黒区は調査業務、大田区は建築コンサルタントと土木コンサルタントの2業務でいずれの制度も導入していない。
また、全業種で予定価格を全て事前公表している5団体は葛飾区や八王子市などの2区3市。荒川区が建築コンサルタントと土木コンサルタントの2業務で事後公表の一部試行を始めたことで、こちらも前年度調査から1団体減となっている。立川市は最低制限価格制度で事前公表と事後公表の併用、低入札価格調査制度で調査基準価格の事前公表を継続中だ。
20年度の競争入札平均落札率の業種別分布(かっこ内=該当自治体)は▽測量=67・4%(東京都)〜99・4%(奥多摩町)▽建築コンサルタント=52%(小笠原村)〜97・3%(奥多摩町)▽土木コンサルタント=64・8%(東京都)〜98・6%(神津島村)▽調査=36・5%(小金井市)〜99%(小笠原村)―。19年度を下回った団体と業種などを見ると、小笠原村の建築コンサルタント業務がマイナス46ポイント、渋谷区の建築コンサルタント業務がマイナス32・6ポイント(平均落札率66・7%)、稲城市の土木コンサルタント業務がマイナス30・5ポイント(69・3%)、三鷹市の調査がマイナス24・2ポイント(65・6%)などとなっている。
全業種で一般競争、総合評価、プロポーザルのいずれの方式も導入していない8団体は千代田区や稲城市、奥多摩町、三宅村など1区2市2町3村。府中市が建築コンサルタントと土木コンサルタントの2業務にプロポーザルを導入したことで、前年度から1団体減った。一方、試行を含め3方式を全業種に導入している団体は東京都や品川区、小平市など1都3区1市の5団体で前年度と変わっていなかった。
提供:建通新聞社