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建通新聞社(東京)
2022/05/18

【東京】都 有楽町駅周辺、再開発へ 交通会館など

 東京都は旧都庁舎跡地などを含めた有楽町駅周辺地区で市街地再開発事業を実施する。対象は旧都庁舎跡地と、近接する読売会館、交通会館、KK線高架下の敷地。今後、関係地権者で構成する協議会を組織して準備組合の設立に備える。MICE機能を強化して国際ビジネス・都市観光拠点を形成するとともに、KK線上部の歩行者空間化などと連携して歩行者ネットワークを拡充したい考え。これに伴い土地活用と基本計画、公共施設整備をそれぞれ検討するため、財務局が業務3件の委託先を決める希望制指名競争入札の手続きを開始した。
 都は、旧都庁舎跡地で公民連携のまちづくりを進めて国際ビジネス・都市観光拠点を形成するための検討を重ねてきた。有楽町駅周辺地区では老朽化した建物の更新が進んでいないことに加え、歩行者通路が分断されて周辺地区との回遊性も不十分で、西口側には駅前広場がないことから、再開発を行ってこれらの課題を解決していく。
 具体的には、旧都庁舎跡地(千代田区丸の内3丁目)と東京交通会館(同区有楽町2丁目)、読売会館(同区有楽町1丁目)、KK線高架下(銀座インズの一部、中央区銀座2丁目)の敷地を対象に市街地再開発事業を実施。近接する東京国際フォーラムなどと連携したMICE機能の推進・強化や、KK線上部の歩行者空間化(東京スカイコリドー)を見据えた歩行者ネットワークの拡充などを図ることを想定している。
 今年3月に関係地権者間で再開発事業の検討をスタート。都の他、東京高速道路、東京交通会館、三菱地所、読売新聞東京本社が参画しており、今後、協議会を設立し、4、5回程度の会合を通じて具体的な検討を進める。
 これに伴い、都が「土地活用検討」と「基本計画検討」、「公共施設等整備検討」の三つの業務を委託して再開発のコンセプトや事業スキームなどを詰める。
 土地活用の検討業務では、民間事業者の参画方法や費用負担のルール、床取得者などを含め、再開発の実現に必要な事業スキームを精査する。権利変換の条件案も整理していく。
 基本計画の検討業務では、施設全体のコンセプト案や配置・動線・ゾーニングなどを考える。オフィスと商業、MICE、ホテルといった施設計画の概略も練り、概算工事費と工事スケジュール、都市計画の骨子案を示す。
 公共施設等整備の検討業務に関しては、KK線高架下の構造物(銀座インズ)のみを撤去して高架を残す方法や、一時的に全て撤去して新規に橋梁を建設する方法などを比較する。また、有楽町駅前広場や既存施設、周辺地区を結ぶ地下・地上歩行者ネットワークを検討するとともに、区道の廃道・付け替えやそれに伴う下水道の切り回しなどについても施工方法・手順を立案する。
 それぞれ交通計画・交通等計画業務Aの競争入札参加有資格者から5月20日まで希望申請を受け付け、6月8日に開札する。履行期間はいずれも2023年3月10日まで。提供:建通新聞社