厚生労働省東京労働局と建設業労働災害防止協会東京支部(建災防東京支部)は4月19日、建設業労働災害の防止に向けた決起集会を開いて死亡災害の撲滅を誓った。管内の建設業労働災害は長期的には減少傾向にあるものの、2021年はとりわけ死亡者数が28人と、前年の14人に比べ倍増している状況。東京労働局の辻田博局長は「大変憂慮すべき事態だ」と語り、死亡災害を発生させない強い決意を新たにするよう呼び掛けるとともに、墜落防止対策をはじめとした安全衛生管理活動や安全衛生教育を全ての現場で徹底するよう求めた。管下の労働基準監督署長と建災防東京支部の各地区部会代表者が出席した。
東京労働局では21年6〜7月と同年12月〜22年1月を強化期間とするなどして、業界団体と建設業労働災害の防止に取り組んできた。ただ、死亡災害、休業4日以上を含む死傷災害のいずれも増加に歯止めが掛からず、22年に入っても前年を上回る状況が続いている。このため建災防東京支部と合同で決起集会を開くことにした。
開会に当たりあいさつした辻田局長は、現場の安全衛生担当者に増加要因を聞き取り調査した結果を踏まえ「元請け・下請け間や現場内でのコミュニケーション不足を背景に、危険意識や安全衛生管理の活動が低下している」と危機感を示した。
集会では辻田局長が建災防東京支部の松井隆弘支部長に要請書を手渡しし、労働災害防止の取り組み強化に向けて@死亡災害を発生させない旨の決意表明と発信A元請けの安全衛生管理活動の活性化B安全措置・墜落制止用器具の使用をはじめとした墜落防止対策の徹底C新規入場者などへの安全衛生教育の徹底―の4点を求めた。
松井支部長は「多くの尊い命が失われている。このような事態が二度と起きないよう、労働災害防止に向けた活動をさらに進めていく」と応じた。
最後に出席者全員で決意表明を唱和して集会を締めくくった。
提供:建通新聞社